緑がちる

緑はいつか散ります。でもまた実るものです。ヴェルディ&FM日記(予定)

年の瀬に、音楽の話でも'23

毎年大みそかの恒例更新です。

 

 

その前に、ちょっとだけ今年の振り返り。

2023年はどんな年だったって問われたら、そりゃもう最高の年でしたよ!!以外の返しはないわけだが、本格的なアフターコロナ元年に東京ヴェルディのJ1復帰という瞬間に立ち会えたことは、完璧なタイミングだったのではないか、と改めて思う。

あの極上の歓喜の瞬間だって、声も出せず、マスク越しで、ひとつ席をとばして座る隣の人とグータッチ…なんて、すごく興が削がれただろうし。15年間押し殺し続けてきた悔しさを、余すことなくぶつけられるシチュエーションを授けてくれてほんとにもう…と神様に感謝したい気分である。が、無宗教の俺は何を拝んでいいのかわからないので、とりあえず号外に映る大泣きの森田晃樹に向かって手を合わせている。ありがたや。

 

昇格云々を抜きにしても、「10年来Jリーグデートをしている僕が思うこと。」とか「ヴェルディを追いかけ、水戸から東京まで歩いた話。」あたりの記事がきっかけで、自分の文章を色々な方に読んで頂けた年になった。これは素直に嬉しい。本当にほーんの少し、わずかばかりではあるが、FMや雑誌関連の依頼を頂いたりもして、なんというか書き手冥利に尽きる一年だったなあと。

理想を言えば、何も知らない人間を東京ヴェルディに巻き込めるような文章を書けたら最高なんだけど、こんな緑サポ&FMプレイヤー向けに特化した内輪向けのブログを、どうやってコミュニティ外に届けるのかがまず皆目見当もつかないし、そもそもそうした”バズ”に必要な、ユーモアだったりちょっとした毒だったりあるいは炎上要素だったりとか、そういったものを文に盛り込むのも苦手なので、まあ変な色気は出さず、これまで通り吐き出したいことだけここに綴っていければいいかなあなんて、思っている。

 

一方、ここ3年めっきりご無沙汰だった海外出張も一気に重なり、お仕事はとても忙しくなった。

完全に吹き飛んだのがゲームをする時間である

元々このブログはFootball Managerのプレイ日記をつけるために始めたものなのに、現状丸1年FMの記事を書けていない。というかせっかくJリーグが公式に搭載されたというのに、その新作に触れてすらいない。つらすぎる。

大袈裟な言い方になるけど、自分が意地でも譲り渡したくない時間を切り売りして仕事をしている感があって、まあそれが大人になるということだと思うし、今年30歳を迎えるまでそれに気づかなかったほどに置かれた環境に甘えていたのだと思うが、やっぱり葛藤はある。

でも、Jリーグの導入をきっかけに、日本人プレイヤーが上げるFM関連のコンテンツがこれまでとは桁違いの数になった。ヴェルディサポのツイートにも当たり前のように「FM」の文字が踊るようになったし、敬愛するまぐまぐまぐろん氏までプレイ動画を上げ始めたのは笑った。よく言っているが「他人のプレイ日記を読むのが好きだけど、あまりにもその数が少なすぎるから、自分で書き始めた」人間なので、こんな幸せな状況になったのだから、自分でプレイ日記を書くのは後回しでもいいか、とちょっと甘えた気持ちもある。

 

そうだ、音楽の話をするんだった。

昨年サマソニフジロックが完全復活し、今年はちょっとした外タレ来日ラッシュの様相を呈していたが、00年代メタルコアスクリーモど真ん中世代の俺にとっては、やはりKNOTFESTNEX FESTの開催がたまらなく嬉しかった。とりわけNEX FESTは衝撃だったなあ。BFMVの前座で来てた時の典型的エピタフ系デスコアバンドBring Me The Horizonが、東名阪回る大規模フェスのオーガナイザーになるほどビッグな存在になっちゃって…

今年聴いた音楽も、その2つのフェス出演者が多くを占めることになった。

それでは、前置きが長くなりましたが、ワタクシ緑がちるが今年よく聴いたアーティスト15選Apple Music”Replay”機能調べ)、15位から順に紹介していきます。

 

まず、12位から15位がこちら。

15位:TOKYOPILL

今年久しぶりに不朽の名作「serial experiments lain」を見返して。25周年を機に、主人公の岩倉玲音と対話できるAIサービスができたり、主題歌”Duvet”(タイトなジーンズに戦うボディをねじ込まないほうのBoaの曲)も今年再リリースされたりと、今密かにリバイバルブームが熱いコンテンツなのですが、それ関連の調べものをしているときにたまたま見つけた、このアニメのフォロワーであろうブレイクコアのアーティストです。このアーティストに関する詳しい情報は何もわからなかったんだけど、どうやらこの記事によると

日本のアニメやゲームなどのサブカルチャーをアートワークや楽曲のサンプル素材として使ったブレイクコアの作品は増えており、切り離せない関係にまでなっているように見える

らしいし、そうした潮流から生まれた才能なのかもね。凄く好きな世界観。

ブレイクコアとアニメの関係性|UmeGatani

14位:Zeal & Ardor

奇才Manuel Gagneuxが生みだした「ゴスペル×ブラックメタル」の融合体。耳が遅くて申し訳ないが、2022年に発表した3rdアルバムが各方面から絶賛されており、俺も今年の最初のほうにドハマりしてた。かつて「ブラックゲイズ」を構築したNeige(Alcest)のように、このアルバムを以って新たなジャンルを定義づけた男になったんじゃないですかね?それだけのエネルギーとセンスを感じる。来日しないかなあ。

13位:NewJeans

はい、俺も立派な”にゅじおじ”です。

真面目な話、仕事が忙しくなればなるほど、急に女性アイドルを聴きだす傾向が俺にはある(かつての欅坂とかBiSHとか)。心が荒むとよりインスタントな娯楽(決してネガティブなニュアンスではない)を無意識に求めてしまうのかもしれない。今年は日本のじゃなくて韓国のアイドルをよく聴いており、NewJeans・(G)I-DLE(アイドゥル)・Billlieの強力3トップが常に俺の通勤中プレイリストの中にいた。でも顔と名前が一致するメンバー、ハニさんとウギさんとツキさんくらいなんだけどね…若い人間の顔を覚えられないの、マジでおじ化の始まりだよな…。

 

 

12位:スピッツ

中学の頃からずっと好きなアーティストだけど、今年そんな聴いたっけな?水戸から歩いている時に「三日月ロック」とか「さざなみCD」をBGMにしていたのは覚えているので、それが影響したのかもしれない。デビューしてから30年以上経って、今なおアニメ主題歌やってスマッシュヒット飛ばしてるの、やっぱり化け物バンドだよな。


次に、8位から11位がこちら。

 

11位:Slipknot

説明不要、メタル界の大御所。どれだけメンバーが脱退しようが亡くなろうが、意欲的にワールドツアーを回り、継続的に新譜をリリースする姿勢が素晴らしい。まあメンバー間の仲は凄まじく悪そうだけど…

彼らが主催するフェス”Knotfest”。日本でも2020年3月に開催を予定していたものの、コロナ禍で開催が延期されていましたが、今年の4月に約束通り再上陸を果たしてくれた。1日目のチケットなんて、延期前と同じ価格の9,500円/日。超円安のこのご時世において、海外バンドのフェスとしては破格すぎるぜ。呼んでくれた数々のバンドたちの好演に酔いしれたのはもちろん、彼ら自身もプロフェッショナルなパフォーマンスを見せてくれて、大満足な2日間となりました。またすぐ来てほしいね!!

10位:Sleep Token

そのSlipknotのフロントマンであるCorey Taylorも、若手メタルバンドの注目株として名前を挙げるのがこのバンド。

スリップノットのコリィ・テイラーが絶賛する現代のバンドは?次世代を代表するバンドを3組挙げる|Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

大先輩Slipknotよろしくマスクで顔を隠した彼らだが、徹底した美意識がもたらす洗練された音像は、若手バンドのそれではない。俺は読書をする時に、必ずその本に合う音楽を探して聴く人間なんだけど、彼らの曲と重厚なミステリーや壮大なSFが醸し出すマリアージュは最高ですよ(三体を読みながらよくこの曲を聴いてた)。

 

9位:CRYAMY

PK Shampooもだけど、こういうひねくれてて荒々しくて青臭くてかつ美しい音楽って、ちょっと酒を飲みすぎた帰り道に、かすんだ夜空の中に星でも探しながら、少しだけ自分に酔った状態で聴くのが最高なんですよね。前から好きなバンドだけど、今年の3月にサブスク解禁したので、しばらくかけまくってた。


8位:Trivium

かつて”Avenged Sevenfold””Bullet For My Valentine”とならび、"新世代メタル御三家"とか称された彼ら。言ってたの誰だ。BURRNか??もちろんBURRNキッズだった僕は思春期の頃からよく聴いてた。

3月のKNOTFESTで久しぶりの来日。ボーカルのキイチは日米ハーフだし、来日頻度は比較的高かったバンドだけど、何気に生で観るのは今回が初だったんだよな。経験に裏打ちされた安定感ある演奏は圧巻だったし、セットリスト間違えて「バカキイチバカキイチ」ってセルフツッコミするおちゃめな姿も見れてよかった。ってか、メタルコアの黎明期から活動しているベテランバンドなイメージだけど、キイチは10代でデビューしてるからまだ30代後半なんだよな。これからも精力的にメタルシーンを牽引していってほしいものです。


そして、4位から7位がこちら。

 

7位:JIGDRESS

さっきも音楽と小説とのマリアージュについて語ったが、彼らの音楽は繊細な恋愛小説に似合っていると思う。俺は恋愛モノより血生臭い小説のほうが正直好みなのだが、とはいえ島本理生みたいなちょっと不安定な人間たちの群像劇はついつい手に取ってしまいがちであり、今年も「夏の裁断」あたりを読みながら、彼らの音楽を聴いていた。

 

6位:The Devil Wears Prada

自分で言うのもなんだが、なんでこの順位なんだ?(笑)

00年代のメタルコア/ポストハードコアバンドの代表格。当時は彼らみたいなナヨいクリーンボーカルが挟まるメタルコアは、純度の高いメタラーから「どうしようもなくダサい」扱いされていたが、俺は正直大好きだった。今回BMTHフェスの予習のためにいろいろ音楽を漁っていたら、たまたま彼らの最新アルバム「Color Decay」を見つけ、ノスタルジーにかられて聴いてみたのだが、これが意外と骨太なメタルコアバンドになっていてこれはこれで好みだったのだ。うーん、でもやっぱりそんなたくさん聴いた記憶はないけどな…


5位:In Flames

こっちは間違いなく何度も何度も聴いた。今年リリースされた最新作「Foregone」は、ニューメタル路線自体は継続しながらも、かつてのメロデス的なエッセンスをこれでもかと乗っけてみた(メロデス回帰!みたいな書かれ方もよく見たけど、個人的にはそこまでには思わなかったなあ)、新旧ファンどちらにも刺さる良作だったと思う。KNOTFESTでのライブもよかったです。”Take This Life”で調子乗ってモッシュピットに飛び出していったら、米軍関係者と思しき外国人客に吹っ飛ばされた。フィジカル鍛えようと思う。

 

4位:Bring Me The Horizon

言いたいことはひとつだけ。また来年すぐにでもNEX FESTやってください。お願いします。

高校生の時に新木場でライブを見てからずっと、永遠のアイドル的存在の彼らが、こうしてメタルの垣根を飛び越えたビッグネームになって、メタルもロックもJ-POPもごちゃ混ぜにしたイベントのオーガナイザーとして日本に戻ってきてくれて、「ファンやっててよかったぜ」って勝手に誇らしくなってたりしてた。ヴェルディの昇格の時も思ったけど、長く何かを追いかけ続けるって、それだけで価値が生まれるものなのかもしれないね。ちなみにジョーダン脱退らしいけど、大丈夫そ?

 

最後に、TOP3はこちら!!

 

3位:Parkway Drive

6位のTDWPのようなメタルコアは認めなかろうと、彼らを貶めるヤツは誰もいない。俺らアラサー世代のメタラー・ハーコー野郎からの支持率100%を誇ったといっても過言ではない彼らが、KNOTFESTで待望の来日を果たしてくれた。とはいえ、欧米では大型ロックフェスの大トリを飾る格なのに対して、日本での一般的な知名度はいまいち。「ライブ盛り上がるのかなあ…」とか思ってましたが、杞憂に終わりました。最前列でもみくちゃにされながら叫んだ”Prey”、最高だったなあ。たぶん人生で1番か2番目によかった轟音体験だった。もう日本じゃ見られないんだろうなあ。また見たいなあ。


2位:Lillies and Remains

こちらもBMTHと同じく、俺にとって永遠の憧れ。9年ぶりのフルアルバム「Superior」が今年7/12にリリースされました。9年て。待ちぼうけ食らわせるのはヴェルディYOSHIKIくらいにしてくれ。相変わらず新曲はどれも期待を裏切らないクールさでしたが、とりわけ2曲目の”Muted”は、天皇杯東京ダービーに臨む道中で聴きまくっていたので、印象に残っています。苦い思い出と結びついてしまった曲だけど、来年は歓喜のアンセムに変わりますよう。

 

1位:PK Shampoo

2年連続1位だった。聴きすぎ。ここ2年間で新曲7個しか出てないのに、一向に飽きない。俺の書く文章がどんどんクサくなっていったのも、彼らのせいじゃないかな。

フロントマンであるヤマトパンクスのキャラのせいで、色眼鏡で見られることもあるけど、はかなく消えてしまいそうな繊細さと、泥啜って生きてそうな荒々しさが、ギリギリのところで両立している感じがたまらなく好き。青臭いけど恥ずかしくない歌詞も含め、とても真摯な音楽を奏でていると思う。彼らの主催フェスに行けなかったことと、ベイスターズが優勝を逃したことが、2023年の心残りかもしれない。

 

さて、ここに書いたのはほんの一部ですが。2023年を彩ってくれたたくさんの音楽に、改めて感謝を。

そして、何より、1年間体調を崩すこともなく、平穏な年越しを迎えることができた妻に、深い感謝と拍手を送りたいと思う。運動が大キライだった彼女は、今年何があったか(もちろん想像はつくが)一念発起してジムに通い始め、半年で-20kgの減量に成功した。俺なんかよりよっぽどブログを書くべき人間なんじゃないかと思うのだが、本人にはその気がないのがもったいない。(そしてもともといったい何kgだったんだという疑問は、決して本人にぶつけられないしぶつけてはならない彼女曰く「ダイエットにはオフシーズンなんてない」とのことなので、J1での厳しい戦いが待ち受けるであろうヴェルディとともに、彼女の闘いもしっかりサポートしなければならない。来年も楽しい年になりそうだ。

 

それでは、1年間お読み頂きありがとうございました。皆様もよいお年をお迎えください。

更新頻度の著しく低いブログですが、変わらずお付き合い頂けると嬉しいです。

 

では。また来年!