緑がちる

緑はいつか散ります。でもまた実るものです。東京ヴェルディ&FM日記

【2024年夏】緑の戦士たち、修行先でのそれぞれの現在地

noteのほうは折に触れて更新していたけど、こちらのブログを書くのは久しぶりだ。

 

あさってに控えた東京ダービーのことでも書こうかと思ったけど、前回書いた記事がダービーに対する僕の気持ちのすべてだし、無理やり檄文をひねりだすのもちょっと違うな、って思った。

 

ということで、まとまった時間がとれたお盆休み、ふだん追いかけきれていない期限付き移籍中の選手(合計12名)について、映像をチェックしながら記事を書いてみることにした。

 

ひとつだけ。偉そうに選手評を書いているけれど、あくまで自分が見た範囲内での感想にすぎないので、決して鵜呑みにはしないでほしい。ただ、もしこの記事が、今は別の場所で戦う緑の戦士たちに思いを馳せるきっかけとなってくれたなら、とても嬉しい。

 

なお、記載したシーズン成績は、ヴェルディ在籍時の数字を除いています。

あと、今後の近場(関東圏)での試合予定も書きましたので、現地に足を運んで彼らを応援したいという方、ぜひ参考にしてください!

 

 

GK 飯田 雅浩


【生年月日】2000年10月5日(23歳)

【現所属】ヴァンラーレ八戸J3

【2024シーズン】明治安田生命J3リーグ 1試合出場、天皇杯 1試合出場、ルヴァン杯 1試合出場

 

現在、ヴェルディの絶対的な守護神として君臨するマテウス・ヴィドット。ブラジルでの報道によると、どうやら彼との契約は2025年末までとのこと。もちろん彼がこの先もずっとヴェルディでプレイしてくれればいいのだが、一寸先は闇のフットボール界、もし彼になにかあったときの後継者の確保、これは今のチームにおけるひとつの懸案だ。俗にいう2025年問題である。

”大学No.1GK”の称号を引っ提げて入団し、ポストヴィド候補最右翼と目された彼は、2年目を迎えた今季、高校生活を送った青森の地で修業中だ(っていっても八戸市青森市はだいぶ距離あるけど)。

ここまでの出場数は、カップ戦を含めてもわずか3試合。開幕節の大宮戦でいきなり初出場したものの、4失点とほろ苦デビュー。その後はベテラン大西勝俉の後塵を拝している。大西選手も、ケガがちなキャリアではあるものの、間違いなく実力者。八戸も順位こそ中位に甘んじているが、23試合で21失点と守備面に関しては上々だし、僕が見た数試合でも安定したセービングと好配球を見せていた彼の牙城を崩すのは、なかなか難しいとは思う。さらには、昨シーズン大西の離脱中に代役を務めた谷口裕介との競争もある。

とはいえ、もちろんこのまま控えで終わってほしくはない。天皇杯の鹿島戦では、現地に駆けつけた鹿島サポからの煽りにやり返す一幕もあったらしい。その熱いハートで競争を勝ち抜き、自信を胸に帰還を果たしてほしいと思う。

【今後の近場での試合予定】残念ながら関東圏での八戸の試合はこの先なさそう・・・

 

DF 山越 康平


【生年月日】1993年5月4日(31歳)

【現所属】ジェフユナイテッド千葉(J2)

【2024シーズン】明治安田生命J2リーグ 2試合出場

個人的な感情にすぎないが、彼がチームを離れるのはとても寂しかった。昨シーズンの昇格に貢献してくれた選手たちはみんな平等に好きだけど、彼はなにより同い年なのでね。1993年度生まれの選手、もう今のチームにはマテウスしかいなくなってしまった。

ヴェルディに来てからの2年間、彼は貴重な守備のマルチロールとして、決して厚いとはいえない選手層を支え続けた。今シーズンは彼にとっても2017年以来のJ1、期するものはあったはずだが、思うように出場機会は巡ってこず、途中出場した東京ダービーでは低調なパフォーマンスも見せてしまった。千田の台頭後は完全に出場機会を失い、6/28にジェフユナイテッド千葉へのレンタルが発表された。

先日の8/3横浜FC戦で移籍後初出場。後半アディショナルタイムに2点を取られ逆転負けという、あまりにも衝撃的な敗戦の場にいきなり居合わせることになったが、彼のプレーは決して悪くなかった。続く岡山戦でも連続フル出場。ちょっとフィードのミスが続いたのでドゥドゥが怒ってたけど、まあコッシーにいろいろやらせすぎても、ね?

若手選手たちの期限付き移籍とは意味合いが異なる。彼がまたヴェルディに戻ってくる可能性は、限りなく低いだろう。それでも、とりわけ思い入れの深い選手として、彼の今後の活躍を、定型文とかではなく、祈る。

【今後の近場での試合予定】ホーム千葉だしね、近いよね。

 

DF 佐古 真礼


【生年月日】2002年12月2日(21歳)

【現所属】いわてグルージャ盛岡J3

【2024シーズン】明治安田生命J3リーグ 12試合出場、天皇杯 2試合出場、ルヴァン杯 1試合出場

 

目下J3最下位と不振にあえぐチームの中で、彼もまた、もがいている。

グルージャの状況は苦しい。リーグ戦23試合で総得点15/総失点45は、いずれもリーグワースト。4月の琉球戦では、あまりの守備のひどさにFW都倉賢がベンチに対して苛立ちを露わにするシーンもあり、5月には監督交代があったものの、チームの成績は一向に上向かない。

真礼自身のパフォーマンスも、正直よろしくない。攻守両面での状況判断の悪さ、そしてボールにチャレンジするときの軽いタックルや、裏を取られたときに安易に手で掴みにいこうとする雑さ。空中戦は相変わらず強いし、時折見せる鋭いロングパスには「おっ」となるのだが、まだまだ粗が多すぎる。ぶっちゃけ、パワープレー要員として最前線で使われていたルーキー時代のほうがいいパフォーマンスだったんじゃないかとすら思えてしまう。14節以降ポジションを失ってしまったのも仕方ない。

先日退団してしまった平の魂を引き継ぐのは、同じレフティであり緑の血が色濃く流れる彼であるべきだと、ずっと期待している。彼が見せるヴェルディへの愛は間違いなくこちらにも伝わっているし、その思いを成就させてもらうにも「もう一度ヴェルディに戻って城福さんに鍛えてもらうのがいいのか、それとも実戦で経験を積みながら一人前のCBを目指してもらうのか、どうしたものか・・・」と、頭を抱えてしまう。

【今後の近場での試合予定】9/22(日) Y.S.C.C.横浜との試合があります(ヴェルディのホーム鳥栖戦とかぶってはいるけど・・・)。

 

DF 宮本 優


【生年月日】1999年5月17日(25歳)

【現所属】ヴェルスパ大分JFL

【2024シーズン】JFL 1試合出場

 

稲見やカトレン、慶人と同じく、大卒99年組の一員。そうか、現在ヴェルディでやっているのは稲見だけなのか・・・。

ルーキーイヤーの一昨年、開幕前キャンプでの評判は上々だったし、コロナで大量の離脱者が出た影響もあったとはいえ、リーグ戦9試合に出場を果たした。昨年はJFLの高知ユナイテッドに移籍して10試合に出場。ただ、今年は新天地のヴェルスパ大分で、わずか1分のみの出場に留まっている。

今年、彼は個人ラジオを始めた。

SOCCER AND 「 」 radio | stand.fm

彼自身の思考、これまでの/これからのキャリア、ヴェルディの現状に対する嬉しさ、チームメートや同期との差が開いている悔しさ、あくまで穏やかに訥々と彼は語る。直接言及することは少ないけど、彼が今ヴェルスパで置かれている状況も、なんとなくうかがい知ることができる。彼はメタ認知がしっかりできる人間であり、そしてそれはし烈な競争に身を置くアスリートにとって、必ずしもいいことばかりではないのかもな、なんて、このラジオを聴きながらちょっと思う。

おそらく、今年が彼の契約最終年(ヴェルディは大卒選手に3年契約を提示してるはずなので)。来年彼が契約を巻き直してヴェルディに戻る可能性は、低いかもしれない。それでも、彼の中での理想の選手像、

試合に出てる出てない、
ベテランだ、若手だ関係なくどんな状況でも
そういう行動を取れる選手が常に自分にとって
キラキラしてとてもかっこよく見えていた。

それを体現できるようになるまで、サッカー選手としての歩みを止めないでほしいと、彼が語る/綴る言葉のファンのひとりとして僕は思う。

【今後の近場での試合予定】9/7(土)クリアソン新宿との試合があります。

 

DF 河村 匠


【生年月日】2000年9月13日(23歳)

【現所属】ブラウブリッツ秋田(J2)

【2024シーズン】明治安田生命J2リーグ 1試合出場

 

いわきFCから引き抜いてわずか半年、ろくに使いもせず同じカテゴリの秋田に放流する。以前の僕であればブチギレ間違いなしの行為だが、いざやる側に回ると「まあでもほら、選手を獲得する側にもいろいろ事情はあるのですよね」と開き直らざるをえない。こうして人は他者のよからぬ行動にも甘く寛容になっていくのだ。

レフティのSB」というのはかねてからの城福監督のリクエストで、それをうけて獲得したのが彼だったわけだけど、結果としてリーグ戦には絡めなかった。J1昇格が決定してから移籍が決まった翁長の存在はともかく、稲見のSB起用や松橋の台頭は、彼にとっても思わぬ逆風だったかもしれない。カップ戦やソシエダとの親善試合でもプレータイムは少なかったので、いまだにどんな選手なのかもよくわかっておらず申し訳ない。それでも、今のチームにおいて、純粋な左利きのDFは袴田しかいないのも事実であり、今後貴重な存在となりうる状況に変わりはない。

まずは秋田で大暴れしてもらって、もう一度J1での挑戦権を!「W河村」の活躍の報せが、北の方角からたくさん聞こえてくることを待ち望んでいる。

【今後の近場での試合予定】あさって8/17(東京ダービーの日)に栃木戦、9/1に群馬戦があるけど、そんなもんかな。ニッパツフクアリの試合も終わっちゃったから、なかなか東京から行きやすい試合は残ってないね・・・

 

MF 橋本 陸斗


【生年月日】2005年4月2日(19歳)

【現所属】Y.S.C.C.横浜J3

【2024シーズン】明治安田生命J3リーグ 13試合出場、天皇杯 1試合出場、ルヴァン杯 1試合出場

 

今のヴェルディでも試合に出ている姿がいちばん想像できるのは、もしかしたら彼かもしれない。

永井監督の下、弱冠15歳10か月でプロデビューしたのも、もう3年半前のことになる。デビュー戦でも物怖じせず右サイドから仕掛け、カットインから豪快にシュートを放つ姿には大いに夢を見たものだが、その後はなかなか出場機会に恵まれず、昨年夏にJ3Y.S.C.C.横浜期限付き移籍をした。そして、実質的なプロ1年目の年齢である今季、彼はウイングバックとしてポジションを掴み、リーグ中断前の直近5試合ではフルタイム出場を継続している

奈良戦と鳥取戦はフルで観たが、90分さぼらず左サイドを駆け回り、ひたむきに相手に食らいつく守備をしている姿は、自分の知っている陸斗のイメージとはいい意味で異なっており、感慨深いものがあった。彼のコメントも「まず守備から」という意識がにじみ出ている。

橋本陸斗「上下動できるのが自分の良さでもあるので、守備もやりながら攻撃もやれたら」【J3第23節・vs八戸】[試合前/コメント] : 横浜本牧フットボールマニアックス

もちろん、相手とのマッチアップにおいて、もっともっと自慢のドリブルでぶち抜く姿を見せてほしいところではあるが、変にエゴイスティックにならず、チャンスと見るやすかさずクロスを上げる様を見ていると、これは城福ヴェルディでも十分ポジション争いできるな、と期待してしまう。

日を追ってスケールアップしていく若き才能に、要注目だ。

【今後の近場での試合予定】ホーム横浜だしね、近いよね。

 

MF 西谷 亮


【生年月日】2004年1月10日(20歳)

【現所属】FC岐阜J3

【2024シーズン】明治安田生命J3リーグ 16試合出場1ゴール

 

生まれ育ったヴェルディを離れてはや半年、彼はちょっと面白い(?)成長曲線を描きつつある。

ユースから昇格して3年目の今季、彼はFC岐阜へ武者修行に出た。岐阜もJ3暮らし4年目を迎えてしまったわけだけど、メンバーはまだまだ豪華で、彼の本職であるボランチのポジションには元代表青木拓矢や、山口や京都でも活躍したパサー庄司悦大、J3での実績充分な北龍磨らがおり、ポジション奪取はそう簡単じゃないよなあと思っていた。それでも、開幕当初は先発で起用され、庄司とロマンあふれるドイスボランチを組んでいた。3節の讃岐戦ではプロ初ゴールもマーク。

9節の富山戦を最後にしばらくスタメンからは遠ざかっていたが、転機となったのは7/20の沼津戦。彼は後半からセカンドトップのポジションに移り、相手ライン間でうまくボールを受け、攻撃のリズムを作っていた。続く鳥取戦でも彼は前線で起用され、惜しいシュートを放つなど存在感を見せた。岐阜の2トップは田口と藤岡という得点能力に優れたコンビなのだが、どちらもフィニッシュに特化したタイプであり、にもかかわらずチームは保持志向寄りなのでアンバランスだなあと思っていたところに、彼の万能さがぴったりハマった感じはある。Twitterを検索したところ「鎌田大地を彷彿とさせる」とつぶやく岐阜サポの方がいたが、長い手足でボールキープする姿、ちょっと似てるよね。

今のポジションを掴み続けるには、得点に直結するプレーがもっともっと必要となりそう。それでも、新天地で新たな可能性を感じさせつつある彼の姿は、見逃すと損かもよ。

【今後の近場での試合予定】残念ながらなさそうです・・・

 

MF 阿野 真拓


【生年月日】2003年8月30日(20歳)

【現所属】テゲバジャーロ宮崎J3

【2024シーズン】明治安田生命J3リーグ 21試合出場1ゴール、天皇杯 2試合出場2ゴール、ルヴァン杯 1試合出場

 

テゲバジャーロ宮崎には、緑の戦士が2人いる

まずは阿野真拓から。ヴェルディS.S.小山育ち、ユースから飛び級でトップチームに昇格した彼は、プロではフィジカル面の差に苦しみ、憧れのメッシのようなテクニックを発揮する機会は少なかった。

2022年シーズン途中に福井ユナイテッドに移籍。昨年はその福井のリーグ優勝・地域CL出場の原動力となる活躍を見せ、今年J3の宮崎に移籍した。

宮崎の試合は開幕からDAZNでけっこう観ている。相変わらず彼の背は小さいが、その存在感は抜群だ。卓越したボールさばきには磨きがかかっており、セカンドトップで起用されれば密集した場所で相手を剥がしてチャンスを生み出し、右サイドハーフでは中に入ったり縦に抜けたりと、相手に的を絞らせないプレイをする。リーグ戦初ゴールも鮮やかなシュートだったし、天皇杯でもジュビロ相手に得点を挙げた。球際の強さも身につけつつあり、前線でボールを奪ってショートカウンターの起点になったりしている。ただし、さすが阿野ちゃんうまいなあと思っていたらたまに井上怜だったりするので、皆さんは間違えないよう注意してほしい(どっちも小兵のレフティだ)。初ゴールの試合動画、置いとくね。

 

適切な表現かはわからないが、16歳にして華々しくプロデビューを果たした彼が、いくら旧知の仲である藤吉信次さんが率いるクラブとはいえ、3つ下のディビジョンである地域リーグにまで身を落としたのだ。どこかで腐ってしまってもおかしくない移籍だったようにも思えてしまうが、彼は福井でファンが選ぶチームMVPの座をつかみ、今年の宮崎でも中心選手として君臨している。

単純なエリート路線では得がたい泥臭い経験を積んでいる彼が、あるいは将来ヴェルディを背負って立つ男になるのかもしれない。

 

MF 楠 大樹

【生年月日】2000年7月15日(24歳)

【現所属】テゲバジャーロ宮崎J3

【2024シーズン】明治安田生命J3リーグ 19試合出場、天皇杯 2試合出場、ルヴァン杯 1試合出場

 

桐蔭横浜大出身のスピードスターは、昨年ヴェルディでプロデビュー。秋田戦では幻のゴールを挙げる(微妙な判定で取り消し)シーンもあったが、シーズンを通してヴェルディでのプレイ機会はほとんどなく、今シーズンは阿野と同じ宮崎でプレーしている。

宮崎では開幕戦からサイドハーフのスタメンを確保している。持ち前のスピードは通用しており、裏抜けからチャンスを作ったり、ドリブルで突っかけていくシーンも多いのだが、いかんせんシュートやクロスといったフィニッシュに絡むプレーの精度が足りていない印象。ここまでゴールもアシストも0というのは、やはりサイドアタッカーとしては物足りない。このままだと、夏に加入した永長にポジションを奪われてしまわないかなあ・・・とハラハラしている。1点取れさえすれば吹っ切れそうな気はするんだけどな・・・

テゲバジャーロ宮崎は、天皇杯で磐田を破りガンバ大阪に善戦した戦いぶりが話題となったものの、リーグ戦は6月のYS横浜戦を最後に勝ちなし、直近は5連敗を喫するなど、チーム状態は芳しくない。阿野にも言えることだが、この苦境を跳ね返し、JFL降格圏内からの脱出に貢献することが、レンタルでやってきている”助っ人”として求められる役割になるだろう。繰り返すが、彼のスピードは唯一無二の武器。後半戦の爆発に期待したいし、数字を積み重ねた先に、ヴェルディでの再挑戦も見えてくる。

【今後の近場での試合予定】9/7(土)18:00- ギオンスタジアムテゲバVS相模原の試合があります!この日はヴェルディの試合もないし、阿野&楠コンビを見たい方はぜひ!!

 

MF 永井 颯太


【生年月日】1999年8月15日(25歳)

【現所属】鹿児島ユナイテッドFC(J2)

【2024シーズン】明治安田生命J2リーグ 0試合出場

 

本日(執筆時点の8/15)誕生日!おめでとうございます!!

いわきFCから引き抜いてわずか半年、ろくに使いもせず同じカテゴリの鹿児島に放流する。以前の僕であればブチギレ(以下略)

今のヴェルディには珍しい純然たるドリブラータイプの彼は、ルヴァン杯の鹿児島戦でその才能の一端を示したものの、リーグ戦では出番がなく、夏にその鹿児島へレンタル移籍となった。

現在J3降格圏の19位に沈む鹿児島は、永井の他にも町田からMF稲葉修土とFW沼田駿也、山形からFW有田稜(いわきで永井と同僚でしたね)を獲得、精力的な夏の補強を見せている。今年の鹿児島の左サイドには、福田望久斗という売り出し中のアタッカーがいるのだが、彼が全治約3か月のケガで離脱してしまったことにより、同い年のドリブラーである永井にかかる期待は大きい。

移籍時のコメントでも「半年後、ヴェルディに必要な選手と思ってもらえるような成長をしてきたいと思います。」と力強く宣言している。同じくいわき加入から半年でチームをいったん離れることになった河村匠と同様、持っているキャラクター自体は、他のヴェルディの選手となかなか被らない貴重なものだ。あとは一回り二回りデカくなって帰ってきてもらうだけ。期待してるぞ。

【今後の近場での試合予定】10/6(日)ニッパツでの横浜FCがあります!!

 

FW 佐川 洸介

ゴール時の公式画像がいい顔すぎるんだよな


【生年月日】2000年5月11日(24歳)

【現所属】ザスパ群馬(J2)

【2024シーズン】明治安田生命J2リーグ 25試合出場2得点

 

2023年8月13日 後半49分 佐川 洸介(試合は1-0で東京ヴェルディが劇的勝利)

2024年3月3日   後半48分 佐川 洸介(試合は1-1で群馬熊本ドロー)

2024年7月13日 後半52分 佐川 洸介(試合は1-1で群馬鹿児島ドロー)

東国大のルカク」なる異名を引っ提げてヴェルディに加入した大型FWは、プロ入り後”絶対AT劇的ゴール決めるマン”になっている。とりわけ、先月決めた鹿児島戦でのミドルはえげつないので、ぜひ見てほしい。

 

彼は決める時間帯も不思議ならプレースタイルもわりと不思議で「お前はイブラか?」と思うくらい王様然として前線で漂っていることもあれば、気分が乗ったのか急に猛烈なチェイスを見せることもある(あまり長続きはしない)。それこそ鹿児島戦のような目の覚めるようなパワフルショットを放ったかと思えば、こちらまで脱力してしまうようなエンジェルシュートを蹴ったりもしている。まあ早い話が、パフォーマンスにすごくムラがある

187cm/90kgの体躯を活かした空中戦の強さはあるし、足元も結構器用だし、まずまず推進力もあるので、染野や木村勇大とはまた違ったタイプかもしれないが、ヴェルディに戻っても貴重な戦力になりうるポテンシャルは感じる。あとは、継続性運動量の向上がとにかく課題なのかなあ。

現在J2最下位と苦しむ群馬。リーグワーストの得点力が問題であることは間違いない。おそらく彼のポテンシャルと実際の活躍ぶりのギャップに一番もどかしさを覚えているのは群馬サポーターだろう。とにかくシーズン後半戦は大爆発してもらって、チームの救世主になってほしいし、その後にJ1でもその悪魔の左足を披露してもらいたい。こういう個性的なFWというのは、何人いても楽しいものだから。

【今後の近場での試合予定】10/5(土)のジェフ千葉は、ヴェルディの試合ともかぶらないし、行きやすいかも!!山越にも会えそうだし。

 

FW 河村 慶人


【生年月日】1999年9月11日(24歳)

【現所属】ブラウブリッツ秋田(J2)

【2024シーズン】明治安田生命J2リーグ 3試合出場

 

2024年2月25日。16年ぶりのJ1の舞台。まだ見慣れない新国立の景色。寒さと緊張で張り詰めたスタンド。反対側で響き渡るマリノスサポーターの歌声。そんな中、いつも通り全力でアップする彼の姿が、いつもより少しだけ大きく見えたのを覚えている。慶人は、いつだってひたむきだった。だけど、それだけですべてがうまくいくほどサッカーは甘くないことも、また事実だった。

今季の出場はわずか2試合、35分のみ。その後は序列を一気に落とし、ルヴァン杯天皇杯ですら、先発に名を連ねることはなかった。J1の厳しさが、そこにあった。

2024/7/2、ブラウブリッツ秋田への期限付き移籍が発表された。移籍に際しての彼のコメントを、改めてすべて引用したい。

このたび、ブラウブリッツ秋田期限付き移籍することを決断しました。

中々試合に出られない状況でもヴェルディの勝利のために何かできることはあるかと考えながら過ごしていましたが、選手として試合に出て成長したいという思いが強く、環境を変えて一から努力していこうと思い、今回の移籍を決断しました。

ヴェルディからは離れてしまいますが、それでもファン・サポーターの方々に応援されるような選手になれるようブラウブリッツ秋田で頑張ってきたいと思います。

最後になりますが、ファン・サポーターの方々と喜怒哀楽を共にした2年半は僕の人生の宝物です。

ヴェルディが大好きです。

本当にありがとうございました。

宮本のところでも書いたが、おそらく大卒選手の契約期間は3年。この期限付き移籍が片道切符になる可能性が高いことも、彼のコメントからうかがえてしまう。

何度でも書くが、2022年、7試合勝ちなしだった町田戦のあと、最後までゴール裏の声を受け止め続けた彼の姿、そしてその3日後の水戸戦で、文字通り最後までピッチを駆けずり回り、チームの勝利を手繰り寄せた彼のプレイぶりは、忘れたくてもそう簡単には忘れられない。とりわけ大切な選手のひとりでしたけどね。

センチメンタルなことばかり書いたが、彼が新天地で水を得た魚のように躍動していることは、とても嬉しい。移籍後さっそく元気に右サイドでボールを追いかけまわし、セットプレーでもターゲットになり、初アシストをマークしたあとゴールを決めた河野貴志より派手に喜び、カメラマンを困惑させていた。誰しもが予想したことだろうが、やはり秋田というチームは、彼の泥臭いプレースタイルに合っている。

彼は、いつだってひたむきだ。そのひたむきさは絶対に報われると、信じるしかないのだ。

【今後の近場での試合予定】匠のところでも書いたけど、東京から行きやすい試合は残ってないかも・・・。

 

というわけで。

今は離れた場所にいるけれど、ここに挙げた12名はみんなヴェルディの選手。その全ては追いかけられないけれど、応援しています。

またヴェルディのために戦ってくれる機会が来るのか、それともこの先また別のクラブでプレーするのかはわからないけど、ともかく、彼ら緑の戦士たちの未来に、幸あれ

 

 

 

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