緑がちる

緑はいつか散ります。でもまた実るものです。ヴェルディ&FM日記(予定)

どこよりも詳しい!2023東京ヴェルディ選手名鑑(後編)

こんばんは。今日のキックオフイベントを眺めながら、この記事の仕上げをしていました。

個人的には城福監督x江尻GM(+土屋雅史氏)のトークをあと3時間くらいは聞いていたかったのですが(笑)

中村社長のビジョンにもだいぶしっかりとした色付けがなされてきた印象で、興味深く聞かせて頂きましたし、なにせ森田キャプテンが発表された記念すべき瞬間もありましたし、

テンション上がってあんまり自分の作業は捗らなかったですね(笑)

すみません、誤記ありましたら指摘してください。

 

とにかく、いよいよ2023東京ヴェルディ選手名鑑後編です!MF&FWの計18名!!

ちなみに前編はこちら!未読の方はぜひ◎

 

 

MF

No.4  梶川 諒太 Ryota KAJIKAWA

【生年月日】 1989年4月17日

【ポジション】MF

【出身地】兵庫県高砂市

【身長/体重】164cm/58kg

【経歴】荒井FC → 兵庫FC → 関西学院高 → 関西学院大東京ヴェルディ湘南ベルマーレ → V・ファーレン長崎 → 東京ヴェルディ徳島ヴォルティス東京ヴェルディ

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 39試合出場1得点、天皇杯 3試合出場

 

ヴェルディの”小さな巨人”。たぶん奥様とほぼ身長変わらない164㎝の身体が、縦横無尽にピッチを駆け回る光景は、キボンと並び味スタ名物と言って差し支えないでしょう。

11年前プロデビューをヴェルディで果たし(その頃からマジで顔変わってねえ)、途中いくつかのクラブを挟みながら、何だかんだでヴェルディに都度戻ってきて、今年で7シーズン目。実は昨シーズンがこれまでのヴェルディで一番出場時間が長かった年だったんです。現在33歳のベテランが、コロナでの離脱者が続出した昨シーズンにおいて、しかも監督交代・フォーメーションの変更もあった中で、キャリアハイを打ち立てる偉大さよ。彼の並々ならぬプロ意識の高さ、そして昨シーズンに懸けていた情熱が伺えます。

【トピックス】検証ルポ『2022シーズン 緑の轍』第一章 梶川諒太「今年が勝負。僕は彼らと一緒にJ1でやりたい」(22.11.21) : 「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

残念ながら去年もチームは昇格を果たせませんでしたが、彼のヴェルディへの熱い想いが薄れることはないはず。誰よりもチームのために走り、パスを受け、パスを出し、また走る。今年もチームの心臓として、背番号4がリズムを刻み続けた先に、彼の、そして俺たちの悲願成就が待っているはずです。

・・・

2018年昇格プレーオフ横浜FC戦、劇的な決勝ゴールに狂喜乱舞するチームの中で、誰よりもその輪に加わりたかっただろうにさ、相手のリスタートを防ぐためにひとりセンターサークルに走っていった姿。あの姿が報われるまでは、俺たちは死ねねえんだよな

 

No.7  森田 晃樹 Koki MORITA

【生年月日】2000年8月8日

【ポジション】MF

【出身地】東京都豊島区

【身長/体重】167cm/63kg

【経歴】豊島SC → 東京ヴェルディジュニア-東京ヴェルディジュニアユース → 東京ヴェルディユース東京ヴェルディ

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 34試合出場4得点、天皇杯4試合出場

 

数多のテクニシャンを輩出してきたよみうりランドの地で、現在一番華のあるプレーを披露できる「ミウリイズム」の継承者が彼でしょう。

去年も貼ったんですけど、今年も彼の魅力が詰まったチョコさん編集のプレー集を置いておきます。なんかコメント欄に「welcome to Urawa!」とか書かれてて草

まあこのコメントが示す通り、実際J1の某クラブから話もあったらしく、最終的にチーム残留が発表されたのは年明けの1月10日。

期待値の高さゆえ、という面もあるでしょうが、昨シーズン前半はどうにも消化不良なパフォーマンスが多かったのも事実。ところが、昨年の城福氏就任後、4-4-2のドイスボランチの一角に固定されてから、いよいよその真価を発揮。魔法のようなボールタッチに加え、意外と持ち合わせてるボール奪取力、そしてするすると最前線にまで顔を出し、フィニッシュワークにも絡む積極性(第37節町田戦での幻のファインゴールは白眉)。眩いばかりの才能の輝きに、これはシーズン終了後ステップアップもありえるよな…と覚悟したサポはかなりの数いると思いますが、今年も緑のユニに袖を通すことを決断し、さらにさらに、本日2月10日、新キャプテンへの就任も発表!

年々質実剛健なチームになっていく中で、そこにしっかり適応しながらも、人を魅了する、お金を払う価値のあるプレーができる貴重な選手。その才能を2部リーグに留めておくなんてもったいない。チームを引っ張る覚悟を胸に、でも遊び心は忘れずに。

森田キャプテン、一緒に、J1行こうぜ

 

No.8  齋藤 功佑 Kosuke SAITO

【生年月日】1997年6月16日

【ポジション】MF

【出身地】神奈川県横浜市

【身長/体重】170cm/61kg

【所属歴】FC上山 → 横浜FCJrユース → 横浜FCユース横浜FC 

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 26試合出場 3得点

 

こちらも宮原と並ぶサプライズ移籍。下部組織時代から横浜FC一筋16年、クラブのバンディエラ候補最右翼だった彼は、1年でのJ1復帰を果たしたチームを離れ、ヴェルディ加入を決意。確かに怪我も多く、大量補強を敢行したチームにおいて居場所がなくなる可能性はあったものの、1年でのJ1復帰に大きく貢献したのは事実。フリエサポにとっては悲しいお別れとなってしまいました。

小柄な技巧派MF、という形容は森田と被りますが、彼の場合はよりゴールに近い場所で真価を発揮するタイプ。相手DFに寄せられても冷静な判断でチャンスを生み出し、隙あらば強烈なミドルで得点を狙います。全力で走り回る泥臭さももっており、ハイテンポな城福サッカーへの適性も十分でしょう。

新天地でのポジションは、センターハーフかはたまた2列目か。梶川や森田とのテクニシャン同士の競演にも要注目。愛する古巣に追いつき追い越すために。緑の”コロスケ”の奮闘から、目が離せません。

・・・

そういや、あの2018年昇格プレーオフ、最後の最後CKを頭で合わせ、ドウグの決勝点を生み出したヴェルディGK上福元(現川崎)。そして、その時に彼をマークしていたのが、誰あろう齋藤功佑でした。目の前で決勝ゴールを叩き込まれたあの日の悔しさを胸に、翌年昇格を果たし、J1でも経験を積んだ彼が、奇しくもあの日の夢の続きをまだ叶えられていないチームにやってくる。これもまたドラマだね

 

No.9  杉本 竜士 Ryuji SUGIMOTO

【生年月日】 1993年6月1日

【ポジション】MF

【出身地】 東京都府中市

【身長/体重】164cm/60kg

【経歴】 府ロクSC → 東京ヴェルディジュニアユース → 東京ヴェルディユース東京ヴェルディFC町田ゼルビア東京ヴェルディ名古屋グランパス徳島ヴォルティス → 横浜F・マリノス横浜FC → 横浜F・マリノス横浜FC

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 31試合出場 6得点、天皇杯 2試合出場

 

俺らの竜士”が帰ってきた。

ジュニアユースからヴェルディ一筋、鼻っ柱の強さがいかにもランド育ちなドリブラーは、2014磐田戦での鮮烈ゴールや、2015年のプレッシングFW起用等随所に輝きを見せるも、一方でサポーターからの愛に100%応えられたとは言えないまま、2016年オフにチームを去ります。その後、流浪の日々を経て、一昨シーズン途中に横浜FCから復帰した時は、それはもう嬉しかったものです。

ただ、お世辞にもそのシーズンはちょっと精彩を欠くパフォーマンスだったように思えたし、個人的には彼に対する期待値もだいぶ下がってしまっていた。

だが、昨シーズンは開幕からフルスロットルのパフォーマンス。執拗なプレスと強気なドリブルでの仕掛けが戻り、開幕2試合で連発。とりわけ、相手GKとの接触を恐れずボールに飛び込んだ栃木戦のゴールは、長年彼に夢を見ていた俺たちの胸を熱くさせたものです。古傷の影響か、90分通しての出場は0だったわけだけど、結果的に6ゴールはキャリアハイ。秋田戦で小暮から受けたタックルの影響で、終盤は戦線離脱してしまいましたが、「杉本竜士ここにあり」を印象付けるシーズンだったのでは。

今年も新たなアタッカーが多数加入しましたが、能動的に仕掛けられる彼の存在は貴重。夢の続きを、まだ、見せてほしい。

 

No.17 加藤 弘堅 Koken KATO

【生年月日】 1989年4月3日

【ポジション】MF

【出身地】 千葉県千葉市出身

【身長/体重】178cm/72kg

【経歴】 北貝塚FC → ウィングスSS習志野市立船橋高 → 京都サンガF.C.カターレ富山ザスパクサツ群馬ギラヴァンツ北九州

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 27試合出場、天皇杯 4試合出場

 

彼が長く現役を続けられる理由の一端が、彼自身の言葉から見えてくる。

2022シーズン|kokenkato0403|note

確かな足元の技術長短蹴り分けるパス精度を持ち、守備の安定にも寄与するベテランボランチヴェルディに加入して3年目のシーズンとなります。

戦術上のキーマンのひとりだった永井政権時代と比べ、堀監督の下ではやや不遇をかこったイメージですが、昨シーズン序盤に関しては、監督との相性云々関係なく、彼自身のパフォーマンスの低調さが目立つ形に。とりわけ、前半で交代させられた山形戦での、らしくないパスミス連発は悪い意味で印象に残ってしまいました。

ただ、興味深かったのは、監督交代後のプレースタイルの変化。これまでどっしり構えてゲームを作るタイプだった彼が、城福監督就任後は、積極的にゴール前まで顔を出し、華麗なマルセイユターンまで披露するという変貌ぶり。曰く「監督に求められて」とのことですが、ベテランならではの引き出しの豊富さに、改めて舌を巻きました。まあ、クローザー気味に投入されている試合では、もうちょっとゲームを落ち着かせてほしいと思ったのも事実だけど(笑)

もうすぐ34歳を迎え、キャリアの晩年に差し掛かっていますが、「若手の指南役」なんて立場には満足しないでしょう。まだまだ貪欲さを忘れない、チームを牽引するパワーに期待です。

 

No.18 バスケス バイロン VASQUEZ BYRON

【生年月日】2000年5月16日

【ポジション】MF

【出身地】チリ

【身長/体重】175cm/70kg

【経歴】新明サッカースポーツ少年団東松山ペレーニアJrユース → 青森山田

いわきFC → ウニベルシダ カトリカ/チリ → いわきFC

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 28試合出場 4得点、天皇杯 3試合出場

 

結果的に、強化部会心の一手だったといえるでしょう。

チリ国籍ですが育ちは日本。今季加入の飯田とともに、青森山田でタイトルを掴んだレフティドリブラーです。。もともと同年代では止めるのが難しいほどのスキルの持ち主でしたが、外国籍枠のためJクラブではチャンスが限られるとの判断のもと、いわきFCに加入した経緯があります。とはいえ、高校時代の知名度があるにせよ、JFLでも絶対的な存在ではなかった彼の”飛び級獲得”には、先行投資の意味合いが強いのかなあとか俺は思っていました。

蓋を開けてみれば、全くそんなことはなく。開幕2試合目にして早速Jデビューを果たし、4節の群馬戦ではオシャレな左足アウトのパスでアシストを記録。右サイドからのカットインという十八番の形だけではなく、縦に仕掛けての右足クロスも効果的でした。少々無理の効く身体の持ち主だったり、あえてPKやFKを貰いに行くマリーシアだったり、随所に南米の香りも漂わせるのがまたいい。シーズン中にどなたかが「高体連仕込みの礼儀正しいマリーシア」的な形容をしていたけど、ほんとそんな感じ(笑)相手を余計にイラっとさせること請け合いです。

5月には日本国籍の取得を決断したことも発表。当然将来的な代表入りも見据えているでしょうし、J2でのプレーは今年限りかなあ、と。来年以降もヴェルディバスケスを観たいから、そのためにもJ1行かないとね。

 

No.19 小池 純輝 Junki KOIKE

 

【生年月日】 1987年5月11日

【ポジション】MF

【出身地】 埼玉県嵐山町

【経歴】 坂戸ディプロマッツFC → 浦和レッズユース浦和レッズザスパ草津浦和レッズ水戸ホーリーホック東京ヴェルディ横浜FCジェフユナイテッド千葉愛媛FC東京ヴェルディ

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 29試合出場3得点、天皇杯 1試合出場

 

一昨年のJ2日本人得点王も、昨季は受難の年に。ボールから離れたサイドで相手最終ラインの隙を伺い、一瞬の裏抜けから点で仕留めるプレースタイルは変わらずでしたが、肝心なフィニッシュの局面でうまくいかなかった印象。動き出しの質自体は錆びついていないように思えましたが、やはりゴールに見放された選手のもとには、なかなか効果的なパスもやってこず。最終的に3ゴールと、寂しい数字で終わってしまいました。

城福監督が志向するサッカーの中には、彼のような裏抜けに特化した選手の居場所がなかなかなさそうですし、今季も逆風は続きそうな気配も。一方、そんな中でも絶対に腐らず、自身とチームのために努力し続ける人間性の持ち主であることも、我々はよく知っています。

仮に今年のベースが4-4-2になるのであれば、近年ほぼ経験のない2トップの一角での勝負になるでしょうか。献身性の高いタイプが揃う今季のFW陣ですが、彼の持つ点取り屋としての嗅覚は貴重です。はたまた、前所属の愛媛時代のような万能型サイドアタッカーとして再起を図る可能性も。プロ18年目、その変化に注目です。

 

No.20 北島 祐二 Yuji KITAJIMA

【生年月日】2000年8月4日

【ポジション】MF

【出身地】福岡県小郡市

【身長/体重】169cm/67kg

【経歴】小郡東野サッカークラブ → アビスパ福岡U-15 → アビスパ福岡U-18アビスパ福岡

【2022シーズン】明治安田生命J1リーグ 9試合出場0得点

 

生まれも育ちも福岡。アビスパサポの期待を一身に背負う逸材が、ステップアップを果たした佐藤凌我と入れ替わる形で、東京にやってきます。

小柄ながら強気の仕掛けでチャンスを生み出すアタッカー。細かいタッチで狭い局面を打開できるだけでなく、強度の高い守備でボールを奪うこともできるという、まさに”リカバリーパワー”を標榜する城福監督好みのプレイヤーではないでしょうか。


福岡U-18時代はエースナンバー”10”を背負い(そういやかつて同じく初の移籍が我がクラブだった鈴木惇も、この番号を背負ってユースでやってたみたいね)、3年間で公式戦20ゴール。一方、プロ入り後の4年間でゴールは0でした。彼からしても、何としてでも目に見える結果を積み上げ、福岡に帰還したいという強い意志があるでしょう。

チームメイトが一目置いたという、精度の高いプレースキックも楽しみ。FKキッカーなんてなんぼおってもいいですからね。秘めたポテンシャルの開花が待ち遠しい限り。

 

No.23 綱島 悠斗 Yuto TSUNASHIMA

【生年月日】2000年8月15日

【ポジション】MF

【出身地】神奈川県

【身長/体重】188cm/80kg

【経歴】相武台FCニューグリーン → 東京ヴェルディジュニア → 東京ヴェルディジュニアユース → 東京ヴェルディユース国士舘大

 

ランドで育った規格外の才能が、大学での華々しい活躍を経て、再び緑のユニフォームを纏い闘います。

森田と同じ00年ヴェルディユース世代。ユースの時はCBのポジションを務め、ひとつ上の谷口やひとつ下の馬場とコンビを組むことも。

彼がプレイヤーとして一皮剥けたのは、国士舘大学への進学後、ボランチにコンバートされてから。

入学初年度から多くの出場機会を得て新人賞を獲得し、2年生の時にはデンチャレの関東Aに選出(チームメイトの飯田も一緒に選ばれていましたね)。細田監督に「ボランチでボールを配れるのは彼だけ」と言わしめるなど、代えの効かない存在に成長しました。ここまでの実績を残した以上、進路はJ1かな…と俺は勝手に諦めかけていただけに、獲得の報を聞いたときはすこぶる嬉しかったものです。

188cm88kgの体躯が注目されますが、プレースタイルは球技ライター党首氏曰く”エレガント”。

総理大臣杯決勝 国士舘×大阪学院 : プロパガンダファクトリー

繊細な足元とダイナミズムを備えた大型ボランチとなると、J2民の頭に真っ先に思い浮かぶのはカイオセザール(長崎)でしょうか。昨年山本理仁や馬場が抜け、層の薄くなった中盤の底のポジション。彼に求められるのは”即戦力”なんてレベルに留まらない、”即主力”としての活躍でしょう。

 

No.25 稲見 哲行 Tetsuyuki INAMI

【生年月日】 1999年4月5日

【ポジション】MF

【出身地】 栃木県さくら市

【身長/体重】178cm/75kg

【経歴】 喜連川SC Jr → AS栃木bom de bola矢板中央高校 → 明治大学

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 12試合出場、天皇杯 2試合出場

 

昨年加藤蓮とともに明治大学から加入。

何やら前評判とのギャップがあった加藤に比べ、彼のプレースタイルは栗田監督のコメント

球際の強さ、運動量、セカンドボールの回収、そして両足から繰り出す強烈なキック

そのもの。

コンディション不良で出遅れたものの、夏頃に出場機会を得ると、最終的にはリーグ戦12試合に出場。まずまずのルーキーイヤーを過ごしました。中盤でのボールハントは迫力があり、天皇杯磐田戦ではクロスバー直撃の強烈なミドルシュートを放つなど、Box to Boxの動きにふさわしい選手であることを証明。一方、繋ぎの局面での貢献は限られ、群馬戦では安易なファウルでPKを献上するなど、ルーキーらしい未熟さも露呈しました。

今季のチームで注目なのは、中盤の底を務める森田の相棒役。経験値に優れたベテラン加藤弘堅や、サイズに恵まれたルーキー綱島とのし烈な争いが予想されますが、いよいよプロの水に慣れた彼が、その競争に打ち勝てるかどうか。またも開幕前の負傷で出遅れてしまいましたが、チーム浮沈のカギを握る一人です。

 

No.28 楠 大樹 Daiki KUSUNOKI

【生年月日】2000年7月15日

【ポジション】MF

【出身地】東京都町田市

【身長/体重】171cm/61kg

【経歴】町田第一スクール→町田JFC→桐生第一高(群馬)→桐蔭横浜大学

 

2023年元旦、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)にて初優勝を成し遂げた桐蔭横浜大。川崎内定のFW山田新や、広島内定のDF中野就斗をはじめ、計13人もの(!)Jリーガーが生まれた凄まじい世代から、我がヴェルディにも若きサイドアタッカーがやってきました。以下、彼に関する恩師安武亨監督のコメント。

中野(就斗)と同じ高校で、同じ試合を見て、中野と楠に声をかけた。楠は左サイドでもの凄く速い選手だったが、全然守備をしなかった。ただ『ここは変えられる』と思った。もの凄く速いという特徴を持っていたので、守備のところは自分(安武監督)が変えれば、絶対にプロになるというイメージをその時に持てた。そして、彼は本当に4年間一生懸命頑張ってくれて、守備を身に付けてプロになってくれたので、とても嬉しく思う

桐蔭横浜大から13人のJリーガーが誕生! “自慢の教え子”を安武亨監督が紹介「応援するに値する人間性を持っている」 | ゲキサカ

プレー動画も大学が上げてくれていますが、相手の裏を取るスピードは間違いなさそう。逆足でのフィニッシュやクロスといった引き出しも持ってますね。

多士済々のアタッカーが集う今季のヴェルディですが、スピードを活かして縦突破ができる香車的なサイドプレイヤーって実は貴重な存在。彼が試合に絡んでくれば、さらに迫力のあるカウンターサッカーが生まれそうな予感があります。先発でもスーパーサブ起用でも、チームに勢いをもたらす存在になれるでしょうか。

 

No.33 橋本 陸斗 Rikuto HASHIMOTO

【生年月日】 2005年4月2日

【ポジション】MF

【出身地】 東京都練馬区

【身長/体重】168cm/69kg

【経歴】 FC.Waragoma  → 東京ヴェルディジュニア → 東京ヴェルディジュニアユース→ 東京ヴェルディユース

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 3試合出場、天皇杯 1試合出場

 

中学3年生でプロデビュー。日本とバングラデシュのハーフであり、怪物級のポテンシャルを秘めるレフティドリブラーは、現在尾崎豊に絶賛心酔中。ランドでは後輩たちに”ガキども、俺がヴェルディを教えてやる”の名言を残し、W杯を観ては「俺が日本を世界一に導く」と決意。某ベテランからは「もう一度義務教育が必要」と苦言を呈されるなど、弱冠17歳にしてエピソードは豊富。

Twitterもだけど、それ以上にこのnote、陸斗の人柄出ててすげえ好き

トップデビューしてから3シーズン目を迎えるわけですが、そのプレースタイルにも変化が。以前は右サイドに位置し、カットインを試みる典型的なウインガーでしたが、昨年は左サイドでも起用され、天皇杯秋田戦では順足のクロスからアシストもマーク。今年のキャンプではどうやらLSBでもテストされているようです。

あまりにも早いプロデビューのタイミング自体は、当時の永井監督の意向によるところが大きいでしょうが、その才能は本物。目指すステージは相当高く、そこに到達するためにも、今年は「俺がヴェルディをJ1に導く」必要があるでしょう。あ、でも怪我は焦らず治してくれよ。

 

No.34 西谷 亮 Ryo NISHITANI

【生年月日】 2004年1月10日

【ポジション】MF

【出身地】 神奈川県川崎市

【身長/体重】180cm/69kg

【経歴】 FCパーシモン → 東京ヴェルディジュニア → 東京ヴェルディジュニアユース→ 東京ヴェルディユース

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 9試合出場、天皇杯 3試合出場

 

昨年唯一ユースから昇格し、リーグ戦6試合で先発出場を果たした19歳のボランチ

スパイクの色こそ派手ですが、どこが相手でも飄々とプレーし、さくっとボールを奪い、スッと前を向き、淡々と好配球を見せる姿は、いい意味でウチ出身らしくない黒子タイプ。とりわけ、プロ初先発を果たした天皇杯の川崎戦では、その堂々とした立ち居振る舞いに感嘆した記憶があります。さすがに苦しいパフォーマンスだったとはいえ、離脱者が続出した8月にはCFとして起用されることも。

ふと思ったけど、基礎技術が高く、器用で、かつそれをあまりひけらかさない感じは、ちょっと先輩の藤本(現ジルヴィセンテ)にも通じるかな?あと、地味に上背もあるよね。

生え抜きの若手選手が多く武者修行に出た今季において、チームに残留したということは、間違いなく監督の構想に含まれているという証左でしょう。なんかこの感じでしれっとスタメン奪取、なんて未来も全然ありえそうな面白い素材。ヴェルディサポのみならず、全ての若手フリークに注目してほしい存在です。

 

FW

No.11 阪野 豊史 Toyofumi SAKANO

【生年月日】 1990年6月4日

【ポジション】FW

【出身地】 埼玉県三郷市

【身長/体重】181cm/81kg

【経歴】 三郷Jrユース → 浦和レッズユース明治大学浦和レッズ栃木SC愛媛FCモンテディオ山形松本山雅FC

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 10試合出場3得点、天皇杯 1試合出場

 

昨年のキャンプイン直前、彼を悲劇が襲います。トレーニングマッチで右アキレス腱を断裂し、下された診断は全治約6ヶ月。通算6年半で計59ゴールをマークした本格派ストライカーは、松本山雅からの加入早々、新シーズンの大半を棒に振ることになりました。

プロ入り後初の長欠となったベテランは、しかしこの逆境を乗り越えてみせました。長いリハビリ期間を経て、8月に戦列復帰。シーズンは既に終盤戦、彼の合計出場時間はわずか185分だったわけですが、その中で貫禄の3ゴールをマーク。とりわけ、ボニが必死のジタバタで獲得したPKを、豪快に右上に蹴り込んでみせた第37節町田戦のゴールに、彼のストライカーとしての経験値を感じました。だってヴェルディの選手たち、基本PK下手ぴっぴなんだもん…

今年は新助っ人マリオエンゲルスに、大卒ルーキーのFWも2人加入。城福監督もどのような前線の組み合わせにすべきか試行錯誤中と思われます。そんな中、高さと強さを兼ね備え、守備も手を抜かず、シュート技術の高い万能型FWの存在はとても大きいはず。二桁ゴール、期待です

 

No.14 マリオ エンゲルス MARIO ENGELS

【生年月日】1993年10月22日

【ポジション】FW

【出身地】ドイツ・トロイスドルフ

【身長/体重】184cm/74kg

 

彼に関しては、別記事でだいたいのことは書きましたので、ぜひこちらを。

練習見学された方のSNS情報を見るに、噂通りのナイスガイらしいっすね。俺も1stユニは”MARIO”にしちゃいました。彼は絶対やると思ってる

 

No.27 山田 剛綺 Gouki YAMADA

【生年月日】2000年9月19日

【ポジション】FW

【出身地】京都府京都市

【身長/体重】170cm/65kg

【経歴】嵯峨SSS→ ヴェルヴェント京都FC→ 京都橘高→関西学院大学

 

今年関西学院大学から加入した小兵アタッカー。こちらも大学が公式動画を用意してくれているので、置いておきます。両足から強烈なシュートを放ち、鋭い動き出しからヘディングで点を奪う場面も。アクロバティックなプレーも披露し、観る者をワクワクさせてくれます。

京都橘高時代はスピード豊かなサイドハーフでしたが、大学でFWにコンバート。同学年には既に京都サンガで公式戦デビューも果たした木村勇大という怪物FWがいたわけですが、切磋琢磨しながら彼もプロ入りを果たすまでに成長。とりわけ、大学4年次には木村の存在が霞むくらいにゴールを量産し、関西学生サッカーリーグのMVPまで獲得。まさに伸び盛りの状態でヴェルディに加入することになります。この辺は我がクラブのスカウティングの慧眼ぶりを示していると言っていいでしょう。

エース佐藤凌我を失い、新星の台頭が待たれるFWのポジション。最後のインカレで負った怪我の治癒が最優先とはいえ、彼がルーキーイヤーから凌我と同等、いやそれ以上のインパクを残す可能性は十分にありそうです。

 

No.29 河村 慶人 Keito KAWAMURA

【生年月日】1999年9月11日

【ポジション】FW

【出身地】大阪府八尾市出身

【身長/体重】174cm/72kg

【経歴】STAY COOL FC(現FC GRASION) → 岩田FC → 近畿大学附属高校 → 日本体育大学

【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 28試合出場3得点、天皇杯 4試合出場

 

昨季日体大から加入した”馬のように走る男”は、早速ホーム開幕戦でCKからゴールを奪取。幸先の良いスタートを切ります。

しかし、その後は満足にチャンスを得られず、ようやくリーグ戦でスタメンデビューを果たしたのは、7月の第25節栃木戦。その翌節の大宮戦でシーズン2ゴール目を挙げると、城福監督は彼の類まれな走力を買い、CFや右サイドハーフで優先的に彼を起用します。

彼を語るうえで外してはならないエピソードは、その熱いハートをがよくわかる、第37節町田戦での一コマ

試合終了間際に何とか追いついたとはいえ、7試合勝ちなしとチーム状態はどん底。ゴール裏から発せられる叱咤の声に、彼は最後まで向き合います

その翌節の水戸戦、中2日の日程にもかかわらず、彼はいつも以上に泥臭くピッチ内を走り回り、先制点を演出。一度は追いつかれるも、試合終了間際の89分、深澤が上げたクロスに諦めず反応し、ギリギリの体勢から中に折り返す。待っていた佐藤凌我は胸で合わせるだけでした。

1カ月半ぶりの白星を手にしたチームは、そこから破竹の連勝劇。最終的に6連勝でシーズンを締め括ることになったのですが、流れを変えたのは間違いなく河村の”ハート”。3ゴール3アシストという数字以上の貢献ぶりだったといえるでしょう。

決定力や足元のスキルなど、まだまだ洗練されていない点が多いのは事実。とはいえ、今のチームを背負うのにふさわしいのは彼でしょう。彼のがむしゃらさが、スタジアムに歓喜をもたらします。

 

No.30 佐川 洸介 Kosuke SAGAWA

【生年月日】2000年5月11日

【ポジション】FW

【出身地】埼玉県

【身長/体重】187cm/90kg

【経歴】江南南サッカー少年団 → クマガヤサッカースポーツクラブ → セレッソ大阪U-18(2018年セレッソ大阪2種登録)→ 東京国際大

 

年々サイズが増していくヴェルディスカッドですが、これまた規格外の選手が加入。187cm/90kgのビッグサイズFW、呼び名は「東国のルカク」。ルカクかあ。W杯ですっかり師匠なイメージがついてしまったからなあ。ってか、この”師匠”って表現、それこそ佐川くらいの若い世代に通じるのかナ…?(ネット老人会)

ともかく、基準点になれるFWがいない(強いて言うなら阪野でしょうか)今年のヴェルディにおいて、彼のような長身FWはそれだけで価値があります。デカい=収まると勝手に決めつけてはいけないと分かってはいますが、マリオエンゲルスや山田のような、前を向いたときに真価を発揮する選手がいる以上、ポストができる選手は1枚いてほしいのよね。なお、筑波大戦では直接FK弾を決めるなど、単なる電柱系FWではなさそうです。

高さという明確な”才能”がある以上、出場機会は早いうちに巡ってきそう。佐川綱島千田あたり並べて、ロングボールで相手を圧殺するヴェルディ、めちゃくちゃ見てみたいので、活躍よろしく頼みます。

 

・・・

 

前編後編、合わせて約22,000字!お付き合いいただいてありがとうございました。

どうでしょう?この記事が、今日のイベントと同じく、開幕に向けてワクワク感を高めるカンフル剤のような存在になってくれたら、とっても嬉しいです。

今年は全席種で声出し応援も解禁。スタジアムに足を運べる方は、選手たちにより一層の力強い後押しを、そしてそうでない方はDAZNでチームに祈りを。

2023年シーズン開幕、今年こそ、「来年こそ」からおさらばしようぜ。

 

では。