タイトルは正直盛ってるかもしれない。申し訳ない。
俺はともかく選手名鑑というものを読むのが大好きであり、毎年この時期その発売を今か今かと待ち構えているのだが、こと我々ヴェルディを含むJ2/J3チームに関しては、エルゴラもサカダイもちょっと情報量が寂しい。ヴェルディユース出身で昨年相模原にレンタルされていた松橋なんか、エルゴラ名鑑のコメントが「慣れ親しんだ東京Vより相模原のほうが実家が近い」だけだぜ。どんな選手なのかまるで分からんのよ
まあ他チームについてはそれで仕方ないと思うのだけど、愛するヴェルディがこんなボリュームなのは我慢ならん、と。ならまあ自分で書くしかねえか、と。昨年もそういう理由で書いてみたので、こちらもスカッド考察記事と同様に恒例行事にしようかと思っています。好きでやってることとはいえ、結構労力使うんだけどね(笑)
例のごとく合計2万字くらいのボリュームになりそうなので、先に「前編」としてGK&DF陣の紹介をしたいと思います。
あと、良ければ2022年バージョンもあわせてどうぞ。こちらです。
それと、この前書いた今年のチームのスカッド考察記事もよろしくです。
余計な前置きはこれくらいにして。早速スタートです!!
GK
No.1 マテウス MATHEUS
【生年月日】1993年4月10日
【ポジション】GK
【出身地】ブラジル
【身長/体重】190cm/82kg
【経歴】S.C.コリンチャンス(アカデミー)→ S.C.コリンチャンス → フィゲイレンセFC
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 20試合出場、天皇杯 3試合出場
一方「チームを勝たせる選手か?」と問われると、パーソナリティ面で物足りなさは否めない。能力は間違いないだけに、これもどうにももどかしい。
去年僕はこんなことを書いたのですが。
背番号1を背負う長身痩躯の守護神は、昨シーズン試練のヴェルディ3年目を迎えていました。
コンディション不良の影響で開幕スタメンの座を高木和に奪われ、その後もチャンスはなかなか巡ってこず。守備崩壊のチームの中でチャンスすら与えられない状況に、彼自身も相当ナーバスになっていたようです。その辺りの話は海江田さんのこの記事に詳しい。
【トピックス】検証ルポ『2022シーズン 緑の轍』第五章 マテウス「僕が前を向き続けられたのは彼のおかげだ」(22.12.8) : 「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗
転機は2つ。
1つは、6月にセレソンの来日サポートメンバーとして選ばれたこと。
【東京Vマテウス】セレソンを観戦するつもりだったのに代表に招集された - バモスアオブラジル3
そして、同じ時期に新監督として就任した城福監督により、スターティングメンバーに返り咲いたこと。
復帰後のマテウスのパフォーマンスは、まさに「鬼神」。昨シーズンのハイライトのひとつであった天皇杯川崎戦の勝利も、彼の存在なくしては成しえなかったでしょう。J1王者を撃破したあと、サポーターの前で感情露わにはしゃぎまくる姿。そして、第41節首位新潟戦の終盤、緩い守備から招いたピンチを凌いだあと、ゴールポストをガンガンと叩いて激昂する彼の姿。
クールな佇まいをあまり崩さなかった以前の彼とは、まるで見違えるようでした。
全俺が泣いた、至高のヴィドさんブチギレシーン
元々J2では頭一つ抜けたシュートストップの技術を有しており、そのうえメンタルも過去最高潮。
2023年のマテウスは、間違いなく「チームを勝たせる選手」です。
No.21 長沢 祐弥 Yuya NAGASAWA
【生年月日】 1996年7月1日
【ポジション】GK
【身長/体重】185cm/85kg
【経歴】 トライアングルSC → ACNジュビロ沼津 → 藤枝東高校 → 明治大学→ アスルクラロ沼津
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 5試合出場、天皇杯 1試合出場
明るいキャラクターと、攻め(すぎ)の配球が持ち味のGK。
昨シーズン前半は高木和不在時にチャンスを掴むも、2試合で5失点。その後大量失点が続いていた5月~6月に再度起用されましたが、嵐の後の濁流のごときチームの悪い流れを堰き止めることはできませんでした。チームの雰囲気を変える起爆剤になってくれそうなキャラクターだと期待していただけに、ちょっぴり残念。とはいえ、マテウスが守護神に返り咲いた後も、2ndGKの座は譲らなかったのは立派です。
今季のポジション争いはさらに激化することが予想されます。勝負の3年目、今度こそチームの起爆剤になれるか。
No.31 佐藤 久弥 Hisaya SATO
【生年月日】 1998年4月4日
【ポジション】GK
【出身地】 千葉県千葉市
【身長/体重】180cm/77kg
【経歴】 ウィングスSS習志野 → 東京ヴェルディジュニア → 東京ヴェルディジュニアユース → 東京ヴェルディユース → 順天堂大
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 2試合出場
ヴェルディ育成組織で育ち、大学を経て古巣に帰還。今年でプロ3年目を迎えます。
GKとしてはやや小柄ですが、俊敏性と確かな足元の技術が魅力。
昨シーズンは第8節の大分戦で念願のJデビュー。気合の入ったパフォーマンスを披露し、見事チームの完封勝利に貢献しました。ただし、翌節は圧巻の攻撃力を有する熊本相手に3失点。手応えと試練の両方を得たシーズンとなったでしょう。
ジュニアユースの2学年下だった飯田も加入する今季。城福さんはどうやらよりGKにビルドアップへの参加を求めている模様で、彼にとっては絶好のアピールチャンスかも。新年のおみくじにあった通り”大吉”の年にできるでしょうか。
No.41 飯田 雅浩 Masahiro IIDA
【生年月日】2000年10月5日
【ポジション】GK
【出身地】東京都杉並区
【身長/体重】184cm/85kg
【経歴】東京ヴェルディジュニア→東京ヴェルディジュニアユース→青森山田高校→国士舘大学
泣けること言ってくれるじゃねえの。
ヴェルディ復活は「義務」東京V内定の国士舘大GK飯田雅浩が見据える大学2冠とその先【関東大学サッカー】:中日スポーツ・東京中日スポーツ
こちらも下部組織産のGK。といっても、ユースまで上がった佐藤とは異なり、飯田は中学3年の時にヴェルディジュニアユースから青森山田に転籍(神谷の件もあったし、ちょっとユース界隈がざわついたの覚えてる)。高校ではバスケスバイロンらとともに、主将としてチームを選手権制覇に導きます。
国士舘大学進学後も、2年次からデンチャレの関東選抜Aに選出されるなど、順調に成長。青森山田時代に続き、主将の座にも就任します。
”大学No.1GK”の称号を手にした彼にはJ1含む複数チームからオファーがあったとのことですが、こうして帰還を果たしてくれました。積極的なコーチングに加え、足元の技術◎なスタイルとのことです。
どうでもいい話なんすけど、最近のGKってどんどんプレーも体型もスマートになってませんか?オリバーカーンがアイドルだった俺は「デカい・ゴツい・いかつい」が名GKの必須要件だという偏見を持ってるのですが、キャンプでの姿見る限り、彼は前2つを満たしてますよね(褒めてる)。上背は184cmなんで決して大柄ではないはずなんですけど、とにかく存在感がある。あとはちょっとマスクがまだまだ甘すぎるので、改善の余地ありですね(嫉妬)。
DF
No.2 深澤 大輝 Daiki FUKAZAWA
【生年月日】 1998年8月21日
【ポジション】DF
【出身地】 東京都東久留米市
【身長/体重】174cm/70kg
【経歴】 西原少年SC → 東京ヴェルディジュニア → 東京ヴェルディジュニアユース→ 東京ヴェルディユース → 中央大学
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 32試合出場3得点、天皇杯 2試合出場
2021年中盤からポジションを掴み、今季も不動の右サイドバックだろうと思われましたが、開幕戦ではまさかのぶっつけ左サイドバック起用。にもかかわらず、対面のクリスティアーノに満足に仕事をさせず、第3節の徳島戦では驚きのビューティフルループでゴールまで奪うなど、そのポリバレントぶりを披露。
その後もシーズンを通して両サイドをこなし、ルーキーイヤーの倍近くの出場時間となりました。
本職はCBのため、縦への推進力やクロスの質に向上の余地はありますが、守備のスキルは間違いないですし、機を見た飛び出しで得点に絡む機会も増えてきています。
新加入の実力者である宮原や、復活を果たしたベテラン奈良輪とのし烈なレギュラー争いも楽しみですし、もしかしたら、ユース以来の谷口とのCBコンビ復活なんて展開もありそうですね。
No.3 谷口 栄斗 Hiroto TANIGUCHI
【生年月日】 1999年9月30日
【ポジション】DF
【出身地】神奈川県厚木市
【身長/体重】181cm/77kg
【経歴】荻野SC → 東京ヴェルディジュニア → 東京ヴェルディジュニアユース → 東京ヴェルディユース → 国士舘大
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 34試合出場1得点、天皇杯 4試合出場1得点
落ち着いた対人守備、スペースをカバーする機動力、そして精度の高い縦パスとフィード。ヴェルディ下部組織が生んだスマートな現代型CB。これも去年書いたのですが、まだ高3だった彼のプレーを見て以来、ずっと推しの選手です。
ルーキーイヤーの昨年、主軸ンドカボニフェイスの離脱もあり、早速ホーム開幕の栃木戦で先発デビューし、シーズン初勝利に大きく貢献。
ロティーナの初TMを観た2017年、あのとき感じた才能の煌めきは間違いなかった…と感慨に浸ったのを覚えています。
こんなに早く「谷口ユニ誇らしい」と言える日が来るとは思わなかった。嬉しい。
— 緑がちる (@MidorigaChill) 2022年2月27日
最終的にそのままレギュラーの座をほぼ譲らず、計34試合に出場。シーズン中盤は、おそらく心身両方の疲れからか、安易なミスも見られたものの、総じてハイパフォーマンスを1年通じて披露し、これはJ1からの引きもあったオフシーズンだったんだろうなあ、と思います。
今季は背番号も一桁に。絶対的な主軸として、チームを高みに導く活躍を期待します。彼ならできるはず。
No.5 平 智広 Tomohiro TAIRA
【生年月日】 1990年5月10日
【ポジション】DF
【出身地】 東京都東久留米市
【身長/体重】182cm/77kg
【経歴】 東久留米ひばりSC → 横河武蔵野FC U-15 → 東京ヴェルディユース→法政大 → FC町田ゼルビア
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 11試合出場1得点、天皇杯 2試合出場
2年連続でキャプテンを務める、頼れるベテランレフティCB。
昨季は開幕戦でスタメンに名を連ね、「完全復活か!」とサポを期待させたのもつかの間、第3節以降は再度チームを離脱。6月の首位横浜FC戦では、セットプレーから2年ぶりのゴールをマークし、シーズン終盤には途中出場でクローザー的役割を担うなど、出場すれば水準以上のパフォーマンスを披露してくれましたが、2020シーズンまでと比べ存在感は薄れてきており、寂しい限り。
ピンチの芽を摘み取るクレバーさ、レフティゆえのビルドアップへの大きな貢献、重要な局面での得点力の高さ…誰もが認める好選手ではあるものの、トランジションの激しい現体制のサッカーでは、決してスピードに優れているわけではない彼に対して、どこまでの評価が下されるかは分かりません。
それでも、J1昇格を目指すにあたって、ピッチ外の貢献も含め、彼の力が必要なのは言うまでもないでしょう。
No.6 宮原 和也 Kazuya MIYAHARA
【生年月日】 1996年3月22日
【ポジション】DF
【身長/体重】172cm/68kg
【経歴】佐東FC → サンフレッチェ広島Jrユース → サンフレッチェ広島ユース → サンフレッチェ広島 → 名古屋グランパス
【2022シーズン】明治安田生命J1リーグ 21試合出場0得点
我がチームのみならず、Jリーグ全体のストーブリーグにおいても、サプライズ度の高い移籍だったのではないでしょうか。守備面に絶対の自信を持つRSBです。
サンフレッチェ下部組織時代からU代表の常連メンバーであり、吉武監督率いるAFC U-16選手権2012ではキャプテンを務めました。トップ昇格後もまずまずの出場機会を得ていましたが、2017年に期限付き移籍をした名古屋の地で完全開花。グランパスのJ1昇格に大きく貢献し、その後もRSBのポジションを確保します。
ここ3シーズンは、コンディション不良の影響や、よりアタッキング性能に優れた成瀬の台頭、3バックへの変更等でポジションを失いつつあり、今オフに契約満了。とはいえ、まだ26歳と脂の乗った時期であり、対人守備の強度はJ1でもトップクラス。
争奪戦も予想されましたが、「真っ先に声をかけてくれた」というヴェルディへの移籍を決断しました。
攻撃面での貢献は限られそうですが、自慢の1vs1の強さは、城福サッカーでも猛威を振るいそうです。3バックのストッパーやボランチの経験もあり、起用法にも要注目。
No.13 林 尚輝 Naoki HAYASHI
【生年月日】1998年6月9日
【ポジション】DF
【身長/体重】181cm/70kg
【経歴】RIP ACE Jr → RIP ACE Jr ユース → 立正大学淞南高校 → 大阪体育大学
【2022シーズン】明治安田生命J1リーグ 1試合出場0得点
J1鹿島アントラーズから期限付移籍での加入。染野に続き、2年連続鹿島からの武者修行です。
立正大淞南高時代は中盤の底を務め、大阪体育大でCBにコンバート。鹿島では「出世番号」の23を与えられ、1年目からリーグ戦6試合に出場。カップ戦を含めると計17試合で2ゴールと、上々の滑り出しを見せました。
ただし、勝負の2年目だった昨シーズン、2月に右足を骨折、8月には大腿二頭筋損傷と、怪我の影響もありほぼ試合には絡めず。今季も「あの頃」のCBの面々を戻した鹿島において居場所はなさそうであり、飛躍を期しての加入となります。
とにかく怖いのは怪我。それさえなければ、1年目からJ1でも普通にプレーできていた高レベルの逸材なわけで、間違いなくレギュラー争いに絡んでくるはずです。J1のレベルを知る者として、ヴェルディ守備陣に刺激を与えてほしい。
No.15 千田 海人 Kaito CHIDA
【生年月日】1994年10月17日
【ポジション】DF
【身長/体重】186cm/82kg
【経歴】黒松パルFC → FCみやぎバルセロナJrユース → ベガルタ仙台ユース → 神奈川大→ブラウブリッツ秋田
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 33試合出場1得点
どんな選手なのかは、実はここに全て書いてあるのですが。
プロ入り後6シーズンを過ごした秋田を離れ、新たな挑戦。横浜FCに引き抜かれていったンドカボニフェイスの後釜候補の1人でしょう。
昨シーズンは秋田で池田(現町田)とJ2屈指のハイタワーコンビを形成。エアバトルの強さだけでいえばボニ以上ではないでしょうか。
とはいえ、吉田謙の下「異端」とすら言える割り切りカウンターサッカーを繰り広げていた秋田から、伝統的に足元の巧さを重視するヴェルディへの移籍。スタイルががらりと変わる中、適応するのに一定の時間を要するとは思います。
ただ、何度も挫折を味わってきた雑草魂の持ち主の彼。恩師の言葉「武器を磨け」を胸に、今のヴェルディにまだまだ足りない「高さ」「強さ」をさらに突き詰めてくれれば、代えの効かない存在になってくれるはずです。あと、ランドで練習してれば足元は勝手にうまくなるから大丈夫。たぶん。
No.16 山越 康平 Kohei YAMAKOSHI
【生年月日】 1993年5月4日
【ポジション】DF
【出身地】 栃木県宇都宮市
【身長/体重】183cm/78kg
【経歴】 KTユニオン → 栃木SCジュニアユース → 矢板中央高等学校 → 明治大学 → 大宮アルディージャ
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 20試合出場1得点、天皇杯 1試合出場
昨シーズン、大宮を契約満了になりヴェルディへと加入した、元”大学No.1CB”。
新天地ではチームのSB不足もあり、プロ入り後ほぼ経験のないRSBで奮闘。急造ゆえのぎこちなさも随所に見られたものの、持ち前の高さを活かし最終ラインの守備に安心感をもたらしましたし、第9節の熊本戦では、鋭いクロスからアシストもマーク。仙台に移籍した若狭の穴をバッチリ埋め、序盤のチームの好調を支えたキーマンのひとりでした。
残念ながら第13節岡山戦での負傷もあり、戦列に戻れたのは終盤でしたが、復帰後は本職CBでも及第点のパフォーマンスを披露しました。
元々スピードがあり、前に出ての守備を強みとしている選手なので、アグレッシブな城福サッカーとの親和性も◎な選手だと思っています。宮原加入によりCBでの起用が増えそうですが、計算の立つ貴重な存在となるでしょう。
No.24 奈良輪 雄太 Yuta NARAWA
【生年月日】 1987年8月29日
【ポジション】MF
【出身地】 神奈川県横浜市
【身長/体重】172cm/67kg
【経歴】 小山台SC → 横浜F・マリノスJrユース菅田 → 横浜F・マリノスユース → 筑波大 → SAGAWA SHIGA FC → 横浜F・マリノス → 湘南ベルマーレ → 東京ヴェルディ(2018年は期限付き移籍)
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 15試合出場、天皇杯 3試合出場 1得点
だってさ、あんなゴール見せられたらさ、泣くしかねえわけですよ。
本当に申し訳ないのだけど、昨シーズン開幕前は、正直彼の復活は厳しいと思っていました。
既に30代も半ばにさしかかり、前年の出場数はわずか1試合。年々タスクの増えるSBというポジションにおいて、上下動するスタミナが売りのオールドスタイルな選手の居場所は、もはやないのではないか、と。
ところが、加藤蓮の離脱により6月から出場機会を得ると、以前と変わらぬ120%走り切るプレーで、低調だったチームに活力をもたらします。そして、途中出場でまさかのFW起用(!)を告げられた天皇杯磐田戦では、貴重な貴重な決勝ゴールをマーク。シーズン最後の6連勝でも全ての試合に出場し、完全復活をアピールしました。
契約更新時のコメントも、短いながらサポの心を掴むもの。
2023年もサッカーができる喜びを噛み締めて全力でプレーします。今後別のクラブでプレーする気持ちはありません。自分の持っている力を全てヴェルディに捧げたいと思います
彼にこれ以上の取ってつけたような修辞は不要でしょう。寡黙な男はピッチで語る。生きざまが滲み出るプレーに、今年も目が離せません。
No.26 加藤 蓮 Ren KATO
【生年月日】1999年12月28日
【ポジション】DF
【出身地】北海道小樽市
【身長/体重】175cm/72kg
【経歴】銭函サッカースポーツ少年団→北海道コンサドーレ札幌U‐12
→北海道コンサドーレ札幌U-15→北海道コンサドーレ札幌U-18→明治大学
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 30試合出場、天皇杯 1試合出場
去年の名鑑にも書いたけど、もう一回引用していいですか?一昨年、加入内定選手会見で、明治大学の栗田監督が残したコメントです。
ポジションは主には左SBをやっています。武器は高い身体能力です。今年度のチームの中でも1、2を争うほど身体能力が高く、スピード、強さなど、まさに強い個というものを持っていると思います。一対一の強さ、突破力、右利きですが左も蹴ることができるキックの精度といったところが彼の武器だと思います。課題としては、頭の回転、切り替え、ポジショニングなどです。
真逆じゃね?(笑)
谷口と同じく、ルーキーながら早い段階でチームにフィット。編成の泣き所だったLSBのポジションを手中に収め、怪我(&コロナ?)での離脱を除き、ほぼシーズンを完走。素晴らしい!
途中で監督も変わる難しいシーズンだったと思いますが、プロ初ゴールのシーンに代表されるような機を見たインナーラップや、ビルドアップの出口になるポジショニングの良さ等、随所にクレバーさを感じさせるプレーを披露。
一方、縦突破や左足でのクロスの少なさ、時折見せる対人の軽さ等、恩師の言葉から勝手にイメージしていたプレーはあんまり…な印象でした(笑)あ、でもシーズン終盤にゼロヒャクで相手ぶち抜いてたりとかしてたね。
ケチをつけてしまいましたが、総じて穴の少ない優秀なSBです。既に3ゴールを挙げているように、得点に絡む嗅覚は文句なしですから、来年はさらにアシストを増やしていきたいところ。
No.38 アルハン ARHAN
【生年月日】2001年12月21日
【ポジション】DF
【出身地】インドネシア
【身長/体重】172cm/64kg
【経歴】PSISスマラン(アカデミー) → PSISスマラン → 東京ヴェルディ
【2022シーズン】明治安田生命J2リーグ 1試合出場
インドネシアの国民的若手スター。本職はLSB。多彩なキックが蹴れる左足と、飛び道具のロングスローが武器です。
加入時にはヴェルディのインスタフォロワーが爆増したことでも話題になりました。
J2ヴェルディがインスタ “フォロワー数” 日本一のスポーツチームに? “経営危機・コンプラ問題続きの古豪”の活路は「新加入のインドネシア人」 - Jリーグ - Number Web - ナンバー
個人的な話で恐縮ですが、仕事で関わりが深いもので、インドネシアについて多少の知識はあるのですが、彼らはとにかく若い人間が多く、素直で、かつSNS中毒の奴らばかりなので、ネット上でのムーブメントとか、デモや暴動起こしたりする熱は凄まじいんですが、個々人は東南アジアの中でもとりわけシャイでのんびりした奴が多い。アルハン&通訳のアグンさんなんか、正直その典型に見えます(笑)
その辺の意識改革というのは国民性もあるのでなかなか難しいわけですが、とはいえ異国の地でブレイクするには物足りなく見えますよね。
プレー面の課題は、一にも二にもフィジカルでしょう。唯一出場機会を得た第25節栃木戦でも、最終ラインに置くリスクを嫌ってか、RWGでの逆足配置での起用でしたね。あとは、戦術面の理解度がとにかく低い。なんか修正した指示もうまく伝わっていない感じがしたので、そこはアルハンだけじゃなくて、アグンさんも頑張って(笑)
レフティがめっきり減ったチームにおいて、彼にしかない武器は多いです。課題を克服し、2年目の逆襲を。
後編はこちら!!