前回の記事
やったぜ。
さて、この試合でJリーグデビューを飾ったのが、
夏に獲得したブラジル人ストライカー、Rafael Furtado(ラファエルさん)。
PKをしっかりと沈めJ初ゴールを奪うだけでなく、
前線からの献身的なチェイシングでもチームをけん引。見事勝利の立役者に。
完璧に近いデビュー戦でした。
かつてルールダービーで鮮烈な活躍を見せたことにより、地元サポーターからの熱狂的な支持を得た香川真司のように、
FC東京相手に見せた彼の活躍ぶりは、ヴェルディサポーターから特別視されるに十分なインパクトだったといえるでしょう。
あと、彼はよく走る走る。
このFC東京戦での走行距離は、合計12.9km。
11㎞を超えればかなりの運動量、というCFWのポジションにおいて、この走行距離はなかなかに驚異的。
たぶんJリーグの同じポジションだと、前田大然(横浜FM)辺りが叩き出しているレベルの数字ではないでしょうか。
もちろん彼の適性を踏まえ、「プレッシングFW」という役割で起用しているのが要因ですが、
それにしてもまだコンディションの整わぬデビュー戦で、ここまでやってくれる彼の献身的な働きぶりは、観る者の胸を打ったこと間違いなし。
さらにさらに、東京ダービーから中2日で迎えた、
2022年7月30日(土)第19節
サンフレッチェ広島戦(AWAY)でも、
2トップの相棒である高田からの裏へのパスに見事反応、
冷静にゴール左隅に流し込み、2戦連発!!
前節あれだけ走り回ったのにもかかわらず、
今節も前線の汗かき役をしっかりと全うします。
この試合は、今季加入の俊英CFW高田颯也が3ゴール1アシストの大暴れ。
主役は彼だったのは間違いないですが、
ラファエルもチームの大勝に大きく貢献した一人でした。
広島0-4東京V
記事では割愛しますが、この試合でもどフリーでのヘディングシュートをあさっての方向に飛ばすなど、
まだ決定力の面では疑問符が付く場面も垣間見えるラファエルさんですが(笑)
その闘志とフォアザチームの精神は紛れもなく本物。
既にヴェルディにとって欠かせないピースとなったことは間違いありません。
いいよね、こういう助っ人外国人。
サポの心を揺さぶるプレースタイルで、ちょっと未熟な面もあって、ここぞというところではしっかり仕事をしてくれる。
まだ加入して間もない段階とはいえ、
この先「愛され助っ人」と呼ばれる資格充分、といえるでしょう。
と、この記事を書きながらふと思ったのだけど、
「愛され助っ人」の定義って、なんだろう。
俗にいう「当たり助っ人/外れ助っ人」ってのは、その活躍度合いによって決まるシンプルなものでしょうが、
「当たり=愛され助っ人」という単純な図式では当然なく、そう呼ばれるにはもう少々のスパイスが必要なようでして。
もちろん大前提として、万人に愛される性格の良さ、これは必要と思いますが、
かといって、それだけではないよなあ、と個人的には思ったり。
完全に僕の主観で申し訳ないのですが、
このワードから自分の脳内に浮かんだ選手たちの顔(ヴェルディの選手しかいないですが)を思い浮かべ、その共通点を考えながら、
僕なりの「愛され助っ人」の定義を並べたいと思います。
愛され助っ人の定義①かわいい
まあ、つまるところ結局は愛嬌ですよ(笑)
女は愛嬌、男も愛嬌。
もちろん優れた人格者であったり、周囲からも一目置かれるスマートな人物であったり、クレバーだけどちょっとシャイだったり、そういう選手ももちろん大好きなのですが、
やはりかわいさこそ愛され要素の最たるものでしょう。
ちなみに、自分の中でのスマートな助っ人の代表例はFWドウグラスヴィエイラ(16-18シーズン在籍→現サンフレッチェ広島)で、クレバー&シャイな助っ人の代表例はGKマテウス(19-在籍)です。
愛され助っ人の定義②意外性がある
良くも悪くも予測のつかない奴、
「今日は何をしでかしてくれるのだろう」と観る者をハラハラドキドキさせてくれる、
これも愛され助っ人の必須要素ではないでしょうか。
タスクを細部まで理解し忠実に実行する、そんなマシーンタイプの選手って、そりゃチームにいると助かるけど、どうしても人間味はないもんね。
愛され助っ人の定義③つよすぎない
ここ、個人的には割と大事。
あまりにもえげつないプレーを見せられてしまうと、「愛する」というよりは「引くわ・・・」的な感情が先に立ってしまいませんか?
どちらかというと「怪物」「黒船」みたいないかつい称号がふさわしくなってくるし(笑)
ヴェルディでいえば、「エジムンド」「ワシントン」「フッキ&ディエゴソウザ」等錚々たる面々が「つよすぎる」にカテゴライズされると思っており、
彼らを「愛され助っ人」と軽々しく呼ぶのは、個人的には憚られる思いです。
<結論>
さて、長々と「定義外」の選手たちを語ってしまいましたが、
緑がちるが選ぶ「愛され助っ人」の定義に最も合致する選手は・・・
アランピニェイロ
(15-18シーズン在籍、現ロンドリーナEC)
レアンドロ(08-09在籍)、マラニョン(11在籍)、アポジ(11在籍)、ニウド(14在籍)、ウェズレイ(15在籍)等々の錚々たる(?)候補を差し置いて、
見事1位に輝いたのが、俺らのアラン。お前らのピニェイロ。
(ちなみに正直ニウドと最後まで悩んだ)
まず、名前がいい。
”アラン”と呼べば、まるでINROCKの表紙を飾ってそうなスター感のある名前になるし(顔もちょっとぽくない?)、
”ピニェイロ”と呼べば、彼の持つどこか隙のある空気感を表すのにぴったりな響きになる。
”アラピ””ピニェちゃん”なんてアレンジも乙なもの。誰がどう呼んでも愛せる名前をしている。素晴らしい。
ちなみに自分の母親は彼のことを「張」と呼んでいる。髪型がるろうに剣心の十本刀っぽかったかららしい。
上記の3定義にもしっかりと合致。
かわいい要素は盛りだくさん。2018年選手名鑑には「奥さんが作るフェイジョアーダが大好き。」と書いてある。かわいい。
たぶん彼の奥様のフェイジョアーダはよほど美味しいのだろう。ちょっと目を離すと、すぐに太ましい姿になってピッチに現れる。体重増が露骨にパフォーマンスに現れるタイプなので、サポとしては頭が痛いのだが、フェイジョアーダが美味しかったならしょうがない。というかそこもまたかわいい。
あと表情がかわいい。おおよそストライカーとは思えない柔和な雰囲気、キラキラと輝く瞳。スタジアムで声をかけると恥ずかしそうに手を振り返してくる。
加入して最初の2年間は「難しいシュートしか決められない」と評されていたくらい、意外性の塊でもある選手。
バイシクルシュートもたびたび成功させるなど、そのアクロバティックなプレーも魅力のひとつでした。
プレースタイルとしては、そのフィジカルを活かしてゴリゴリと突き進む猪突猛進型アタッカーでもあり、チームメートからも「パワーNo.1」といわれるくらいゴツい選手ではあったのですが、
かといって他者を圧倒するような迫力があったかといわれると、首を傾げるレベル。よって3つ目の定義「つよすぎない」もクリア。
何気に在籍年数4年って、ヴェルディの助っ人の中では相当長いんですよね。
千葉を退団した後はしばらくフリーとなっていましたが、今年9月母国のクラブに加入。その報を聞くや我が事のように喜ぶヴェルディサポも多数。
まさに文句なしの「愛され助っ人」といえるでしょう。
さて、
冒頭で紹介させて頂いた、「FM上の助っ人」ラファエル選手も、実は「オーバーヘッドキックを狙う」といった、アランみたいな特性を持っている選手。
サポーターに末永く愛される彼のような存在に、ぜひなってもらいたいものですね。
では。
・・・
(今思ったけど、彼はアランというよりも、雰囲気とかプレースタイルはコイッチに近い気もするんだよなァ・・・)