「開幕戦」
全てのサッカーファンが胸をときめかせる、そんな魔法の言葉である。
決して幸せな日々の幕開けとは限らない。それでもなお、
愛するチームが、愛するサッカーが戻ってくる日を待ちわびて暮らす生き物、
それがサッカーファンなのである。
かくいう僕も当然例外ではない。
開幕戦がホームであれば、特に用もないのにキックオフ3時間前にはスタジアムに到着し、
「飛田給は相変わらずホーム感がまるでないなァ」などと何度吐いたかわからない愚痴をぶつくさと呟き、
「これを食べなきゃ開幕しないなァ」などと言いながらキボンの弁当に舌鼓を打ち、
「やっぱりまだ季節じゃなかったなァ」などとぼやきながらみかん氷を食べて寒さに震えるのである。最後のは違うチームの開幕戦でした。すみません。
普段見もしないよそ様の試合もなぜだか気になり、テレビとDAZNの2窓視聴なんかやってのけてしまうのも開幕戦マジックの一つであろう。
開幕戦がアウェイであれば、どんなに遠かろうとそこに赴かねばならぬ、となるのもサッカーファンの人情である。
近場のアウェイならいざ知らず、そこが例えば東京からかなり離れた四国だったりしよう、
集まった者たちの「サッカー愛/チーム愛」はやはり尋常ではなく、普段の日常生活では味わえない”同志たち”の一体感をひしひしと感じるのだ。
ちなみに、2017年開幕戦、かの徳島の地で、ぼっち参戦だった僕に鳴門名物「あらし」の海鮮料理を奢ってくれた”同志”2人組の方、
いまだにちゃんとしたお礼が言えていません。あの時は本当にありがとうございました。とてもとても美味しかったんです。
Football Managerの話に戻そう。
我が東京ヴェルディもついに2021シーズンの開幕戦を迎えます。
対戦相手は前回の記事
「開幕までの道のりを」Football Manager日記 Vol.5 - 緑がちる
でちらっと紹介したFC琉球。
ゲキサカによる順位予想は13位。我が軍は9位予想なので、中位候補同士の激突となります。
小池がインフル、新井が筋肉系のトラブルで離脱中の左サイドには、
高卒2年目の松橋を抜擢。ポテンシャルは間違いないんで、期待してるぞ。
同じく軽症のCDFボニフェイスは大事を取りベンチ外。代役のCDFには若狭を、RSBには奈良輪を起用。
ともすれば浮足立ちがちな開幕戦、百戦錬磨のベテランに後方を任せます。
集まった観客は6,269人(ほんとリアルな数字)。
緑がちる監督の初陣、とくとご覧あれ。
両チームのメンバー。「いいサッカー日和になりそうだ!」 ああ、その通りだぜ。
さあ、キックオフ!
開始5分、ヴェルディのFK。ややゴールからは距離がある。キッカーは加藤。
佐藤優平を田中恵太がプッシングした、との判定。
琉球にとっては厳しい判定ですが、開幕戦にかける気合が空回った、といったところでしょうか。
このPKを加藤弘堅が冷静に沈めて、幸先よく先制!
加藤は移籍後早速結果を残しました。
早い時間の先取点で勢いに乗るヴェルディは9分、
あっさりこの試合2つ目のPKを奪取。
山下の突破力が生きた形ですが、あまりの展開に実況もこの一言。
このPKも加藤弘堅がものにして、早くも2-0。
こんな幸運あっていいのか。
さらには前半18分。
前代未聞の3連続PK。まだ最初の飲水タイムすら迎えてない時間だぞ。
これには実況も呆れ顔。
まさかの加藤弘堅、新天地デビューで(PKのみでの)ハットトリック達成。
衝撃的な開幕戦の展開に、ホームヴェルディサポは狂喜乱舞し、駆けつけた琉球サポは怒り狂っていることだろう。
興奮冷めやらぬ中、なおも前半23分。
まだまだゲームも序の口、といったこの時間で既に4点差。あまりにも出来すぎな展開です。
この後少しペースを落としながらも、要所は締めて反撃を許さない新生ヴェルディ。
一方の琉球は、ゲームをコントロールする風間兄弟がなかなか良い形でボールを触れず。
ヴェルディも最終ラインへのプレスは緩いので、琉球のCBはある程度楽にボールを持てるのですが、
中盤に出しどころがなく、苦し紛れの前線へのロングボールもFWパソに全く収まらない。
大量点差を跳ね返す術は、今日の琉球には無いように見られます。
片やヴェルディはというと、コンディションに不安のあった森田と石浦に加え、練習試合で結果を残した佐藤凌我も試運転できるという、願ったり叶ったりの展開に。
そして迎えた74分、
途中出場のルーキー佐藤凌我、しっかり結果を残します!!!これでついに5-0。
プロ初ゴールおめでとう!
試合はこのまま終了。
緑がちる監督のデビュー戦は、まさかの3PK含む5得点と、いきなり歴史的な試合となりました。
途中ペースを緩めて相手にボールを持たせる時間帯もあり、
支配率でこそ琉球に上回られましたが、
それ以外のスタッツは文句なし、と言って差し支えないでしょう。
監督も勝利に大満足。
森田、FWのライバル佐藤凌我が継続して結果を残してるし、君もうかうかしてらんないゾ
新戦力加藤の大活躍、抜擢に応えた松橋のアシストなどなど、
今後のシーズンにも期待が持てそうな開幕戦となりました。
それにしても。
前作FM2020もかなりの試合をこなしてきましたが、
PKだけで3ゴールってのは、公式戦では初めてだと思う。
我ながらほんとにびっくり。なんか2021になって判定ガバガバになっただけとかじゃないよね????
何はともあれ、勝利の余韻にいつまでも浸っていたいところですが、次の栃木戦がわずか3日後に控えています(この世界線のJリーグは、序盤が結構な過密日程です)。
勝って兜の緒を締めよ、万全の準備をして次節に臨みたいものです。
1試合だけでこれだけの長さの記事になってしまいましたが、
これも開幕戦マジック。
次回からはさくさくとシーズンを進めていく所存です(多分…)
では。